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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2001/02/09(金) NO.123号 

歯車が狂い始めた自民党

 与党三党の「株価対策の中間報告」が正式に決まったようだ。そもそも今より制度的に整っていなかったバブル期に38,000円を超える水準にまで行ったことを考えれば、企業の将来価値の割引現在値であり、「企業の通信簿」でもある株価を、なぜ政治や政府がそんなに心配してあげねばならないのだろうか。「市場実勢からかけ離れた水準になっている株価を修正する」との乱暴な論理が原動力だった、と聞いているが、そうだとすれば一体誰が正確な「市場実勢」を見出せるのだろうか?「現在の市場が発信しているシグナルが間違っている」との大胆なことはなかなか言えるものではないし、それでは「自民党は市場を信用しない社会主義政党です」と天下に宣言するに等しい。もちろん今回は公明党などの主張で「中・長期的市場活性化策」に近いものになり、私が昨年10月に東洋経済に書いた改善項目が改めて含まれたので部分的に評価はできるが、やはり重要な問題は基本的な経済政策のスタンスだ。今回のことでまたまた世界と良識ある国内世論は、根本問題を先送り、短期的問題で取り繕う国、と思っているのではないか。
 
 また、今回の対策の決め方も問題で、いつのまにか「党内民主主義」も消滅してしまった感が否めない。自民党内では「特命委員会」での議論ばかりで、平場の議論はたったの2回。それも2度目の議論の最後に「座長一任」を取り付けたわけでもなく、ずるずると終わり、単なるガス抜きで終わった様な気がする。民主主義は手続きが大事なはずだ。
 
 今日の外交部会もおかしかった。正式な外交関連合同会議は朝9時からであるのに、8時から佐藤国連大使などを迎えた「国際機関に関する小委員会」に衛藤副大臣などが遅れて来られ、いきなり国連などと関係のない「外交機密費問題」への外務省内の対応の説明をされ退席。テレビ数社の頭撮りでにぎわった9時からの正式な合同会議には副大臣、政務官とも途中不在になった上、この時期なのに「外交機密費問題」が正式議題にもなっていない!!カメラが沢山来ると言う事は当然「機密費問題」を議論すると世の中が思っているからのはず。一体自民党はどうしたのか?
 
 結局私や平沢代議士、河野太郎代議士などの発言が相次ぎ、自民党としても「調査委員会」を作る事を外交調査会長の中山太郎先生が約束してくださった。特に私が強調したのは、確かに松尾元室長や外務省は大問題だから真相究明は当然だし、チェックできない仕組みの実態解明、今後の外務省の体制整備を早急に外の目を入れて図るべきだが、、同時に問題なのは、「報償費」を永年予算としても、決算としても認めてきた国会の責任だ。
 
 アメリカ議会ではインテリジェンスコミティがCIAなどの予算について「秘密会」で議員がチェックを入れるという。我々日本の国会は何をしてきただろうか?仕組みとして内容チェックできる体制を作っていなかったのではないか?この点をきちんと反省し、今後国民が納得できる体制を作るべきだ。感情的に責任論ばかり言っても、国民は理解しないだろう。最近「国会や予算委員会はスキャンダル追及の場ではなく、経済や予算を議論する場ではないのか!」と怒られる事が増えている。

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