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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2013/01/28(月) NO.749号 

がん克服に真に役立つ「がん登録」を目指して

 先週の24日木曜日、超党派の国会議員でつくる「国会がん患者と家族の会」の「がん登録法制化作業チーム」の第2回会合が総選挙後初めて開かれ、全国のがん患者の情報を一元管理するがん登録の法律による義務化に向けて、前回会合での我々からの指示によって法制局が作成した法案について議論が行われた。

 初会合は昨年11月8日だったが、その後解散総選挙があり、選挙後も諸事情でなかなか開催されなかったため、私の方からメンバーの先生方にお声掛けをして、同会の尾辻秀久代表世話人にもご参加いただき、この度開催された。

 前回会合では、法制化に向けての議員間、医療関係者、そして患者団体などの間での法制化に関するコンセンサスを受け、可及的速やかに法制局が法案のたたき台を作成、がん専門医療機関など関係団体の意見を聴取するように、チームとして宿題を出していた。今回の第2回会合では、それを受け、法制局の法案骨子をもとに、具体的な法制化における論点や課題等について議論が行なわれた。通常国会に法案を提出することを目指し、今後議論のペースをもっと上げていかなければならない。

 会合で主に論点となったのは、(1)がん罹患情報の提供を義務付ける医療機関の範囲、(2)予後情報の収集・登録患者との突合作業についての国と都道府県の役割分担、(3)データベースに記録された情報を利用できる用途の範囲、(4)記録された情報保護の仕組み、などだ。

 医療機関の範囲については、現行の地域がん登録制度では、診療所やがん診療連携拠点病院などの専門医療機関が、初回の診断をした時点で都道府県に情報提供することになっているが、法制化によって情報提供を義務化するに当たっては、どの機関がその義務を負うかを厳密に規定しておかなればならない。医療機関が治療方針を決定した時点や、専門医療機関による診断が行なわれた都度に情報提供の義務を課すなどの案が話し合われている。

 国と都道府県の役割分担については、国が一元的に行う案と、国と都道府県が分担する案の二通りが考えられるが、いずれにせよ、情報精度を上げるための突合作業が重要だ。住基ネットの利用を認めるかどうかも論点となる。

 登録情報を利用できる用途の範囲については、がんに関する統計作成のためは当然ながら、何よりも大切なことは完治に向けた治療法の確立だろう。となれば、国・都道府県のがん対策立案のための活用、治療法開発など、公益性のある研究への貢献などのため、情報利用に関しては、プライバシー保護には留意しつつも、あまり消極的であってはならないだろう。

 一日でも早く、ご自分のがんを克服したい、完治させたい、と日々厳しい病状と闘いながらひたすら頑張っておられる患者の皆様の期待に応えられる制度とは何か、を真剣に考えねばならない。罹患率や5年生存率など、統計作成のためだけにとどまっていてはいけないのはもちろんだ。当然、今後の完治に向けた治療法開発に役立ち、がんでは亡くならないようにするのが最終ゴールだ。そのがん対策にとって、最大限の効果がもたらされるような制度とするためには、まだまだ議論しなければならない論点が沢山あるのではないか、との声が私には届いている。

 例えば、「地域がん登録」にとどまらず、「院内がん登録」に関しても法制上の位置づけを明らかにし、両制度を有機的に結びつける方策が必要ではないか。また、地域がん登録では「原発性のがん」だけが対象となっているが、転移で見つかったがんで原発部位不明なケースはどうするか。さらに、検診の重要性を考えれば、「発見経緯」をがん情報に加えるべきではないか。また、人材育成等がん登録の精度や均一性を向上させる仕組みも必要だろう。都道府県の役割の明確化と適正な規制も必要だ。

 患者会やがんセンター等の関係諸機関は勿論のこと、全国の医療関係者の意見を有効に吸い上げる方法を考えねばならない。住基ネットを所管する総務省等との協議等も必要だろう。政府提出の法案の場合、パブリック・コメントを受けているが、議員立法ではそのようなことをやったことは聞いたことがないが、今回は何か工夫をして、できるだけ多くの意見を参考にすべきだ。

 真にがん克服に貢献できる法律となるよう、全力を尽くす所存だ。

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