トップ > やすひさの独り言

やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

  • メールマガジン登録・解除
  • 全タイトル一覧
  • バックナンバー
2001/01/25(木) NO.120号 

世界を考える奥行きの深さ

 一昨年、昨年に引き続きシュルツ元国務長官とブラッドレー元上院議員が中心となり、スタンフォード大学がお世話をする"8th Annual Asia-Pacific Roudtable"(アジア太平洋円卓会議)に出席するめ、成田を夕方出発。同じ25日の朝9時前にサンフランシスコ到着。
 飛行機の中で急に思い立ち、金門橋をわたって15分ばかりのところにある高校時代に1年間過ごしたホームステイの家を訪ねる。センチメンタル・ジャーニーだ。
なんと、お母さんがいた!!サプライズ訪問で、玄関口が逆光だったこともあったのだろう、お母さんは初め私がわからない。そう、ひょっとすると20年振りかも。
"Tina. It's me. Yasu!"と言ってやっとわかり、抱き合う。今回は政策秘書の長男も連れていて、スタンフォードの大学院にいた昨年会っていたので、この二人も抱き合っていた。
 既に離婚していたお父さんは3年ほど前に亡くなっているが、お父さんの遺品のアルバムを三人で見ると、17歳のがりがりに痩せた私が写っている写真も出てきたし、美人のお母さんの新婚時代の写真も出てきて、ジーンとなる。
 今年5月に予定されている Tina の次男の結婚式にくることを約束して、約1時間の訪問を切り上げ、日本の総領事との昼食に向かう。
 
 勉強会仲間でもある田中総領事と三人で昼食。カリフォルニアの電力事情を聞くと、久しく電源開発をせずに州外からの電力を入札で購入してきたツケが回り、法外な値段をつけられ、このところ地域を回しながら「ブラック・アウト(停電)」ならぬ「ブラウン・アウト」といって、電力供給を絞り、薄暗くすることなどで凌いでいる由。病院などで困っている様だが、日本での規制緩和に反対する人が一見喜びそうな話。要は、「電力の安定供給」を確保しながら規制緩和をすることによって電力料金を下げる透明な競争政策を含む総合的な政策があればよいことであり、秩序だった体系的な規制緩和をして消費者や産業がメリットを享受できるようにすべきこと。
 
 大雨で2時間遅れの小さなプロペラ機で、大揺れの中モントレー空港に降り立ち、円卓会議の歓迎夕食会に遅れて入る。
 7時半からブラッドレー、ルーガ-上院議員、シュルツの3氏が米国の状況について順次発表。ブラッドレーは、自らの大統領選挙の体験を振りかえり、その意味合いを語る。「大統領選挙は、全国選挙ではなく、一州一州の勝負」とのこと。また、ポピュラーボ-トでは勝っていながら選挙人ベースで負けたゴア候補の経験があろうとも、現制度を変える必要はない、とのはっきりした見方に、やや驚いた。やはりアメリカは「合衆国」なのだ、と思った。
 最後にシュルツ氏の登場。80歳近いが頭は冴え、言葉は物静かながら深い。「ブッシュ新大統領はいまいちたいしたことないと思っているだろうが、皆が思う以上に賢い。自分が仕えたレーガンも頭はたいしたことない、と思われがちだが、最近私の編集で出版された約650編のエッセイ集を読んでもらえばわかるが、考えも深い。ブッシュさんについても侮ってはいけない」とのこと。
 さらに、やおら世界の人口構造の見通しを表わしたチャートを配り、「インドでも人口ピラミッドは成熟化の方向だ。このまま行くと世界は高齢化で大変なことになる。今後皆で議論していこう」と重たいことを言って話を終えた。重く、深く、奥行きのある言葉だった。政治から遠退いてもいつまでも世界を考えるシュルツさんの姿勢に、頭が下がる。どこかの国の政治のレベルとは腰の入れ方が全く違う。

バックナンバー

2001/01/26 NO.121号
「今日の日本に『福田』はどこにいるのだ?」
2001/01/25 NO.120号
世界を考える奥行きの深さ
2001/01/21 NO.119号
久し振りのTV出演
2001/01/20 NO.118号
第3回明恭塾のテーマはNPO
2001/01/17 NO.117号
お濃茶で和む