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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2001/09/07(金) NO.218号 

課題の多い21世紀の日本

 朝は「新たなグローバル経済の中で勝ちぬくための基盤」および「成長の基盤-新たなグローバル経済における金融」との2つのパネル。改めて課題の多い日本が語られた。小林陽太郎さんはとくに教育の重要性を指摘。戦後とかく「How to 」ばかりが教えられ「 Why? 」といった深く考える事を大切にしてこなかった反省に立つと共に、長期的により高い資質の人間を育てる事の大事さを強調しておられた。その関連で、倫理観の醸成が必須である事も指摘されていた。その通りだ。
 昼食会のゲストスピーカーは、ヒュ-レット・パッカードのフィオリナ会長。若手女性経営者として注目されているし、つい先日コンパックの買収を発表したばかりで、関心は高かった。なかなかしっかりした話し振りで、プレゼンテーション能力は抜群!消費者の利益や会社の地域社会への貢献など、日本の経営者からなかなか聞けない話も沢山あり、HPは今剣が峰の様だが、このままでは日本の大半の企業は総合点で負けてしまうな、と思った。
 午後はいよいよ分科会で私の出番。分科会が五つあり、特に「歴史の重み」と題し、戦後賠償に関する法案を出しているホンダ下院議員などが出る注目のセッションがあったため、私の「米国および日本の国内政治」の分科会への参加者はやや少な目。それでも約30人は来てくれ、アリヨシ元ハワイ州知事、ショッパ・バージニア大教授、シーライト・ノースウエスタン大教授と四人でそれぞれの考えを発表後、会場からの質問に答えた。私は、ここ10年は単に「経済面での失われた10年」だっただけでなく、「政治的に見ても失われた10年」であったとの考えを示した。それは、ここ10年、政策決定過程がいかにも場当たり的で煩雑かつ手間のかかるものになってしまっている。おまけに自らの拠って立つ政治基盤を弱めてきている。せっかく小泉総理という高い支持率を保つ総理に恵まれている今こそ、総理の周辺に英知を集め、確かな最終決断を総理にしてもらう様に制度も整えて改革を断行すべきだ、と主張した。
 このところ樋口さんや岡本さん、田中秀征さんなどを首相周辺に集め始めていて結構なことだが、首相補佐官を活用したり、補佐機構を正式に作るなど、制度化をした方が官僚機構とうまく噛み合って政策を実行できるのではないか、というのが私の考えだ。

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