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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2001/09/14(金) NO.222号 

このまま日本経済をつぶして良いのか

 朝9時から経済産業部会・中小企業調査会合同会議。日銀の後輩であるKPMGの木村剛氏が同部会の2度目のゲストスピーカーとして約1時間プレゼンテーションした。歯切れの良い説明で、基本認識は私と全く同じだ。結論は、「ちょうど3年前の金融国会の際に日本が直面した分かれ道に再び立っており、(1)当時私と石原伸晃氏が主張したけれども排除された考えに従い銀行の貸出資産を厳格に評価し、いっとき辛くとも厳格に対応するか、あるいは(2)問題の余りの大きさに事の本質から目をそらし、問題を先送り、成り行きに任せるか、との二者択一をするしかないはずで、国民の期待を背に登場した小泉内閣が3年前と同じ道を選ぶとは国民も世界も思っていないはず」という事だろう。
 日本経済が抱える問題の本質は木村氏が主張し、最近偉い政治家も言及するようになった「大手30社の問題だ」とか「引当をしっかりやりさえすれば良い」というほど単純な問題ではないが、解決への第一歩として「30社問題」に答えを出し、「銀行の資産評価を貸し先企業の実態に則して行なう」べきことは、木村氏の指摘の通りで、もうここ3年以上私が言い続けてきたことだ。木村氏は、「3年前より事は深刻になってしまっている」と言っていたが、その通りだ。国の借金だけでも約130兆円も増え、過剰債務企業の債務はさらに大きくなっているはずだ。そして、その間に企業の体質・経営姿勢も、全体としてはさして改善していないことが最大の問題だ。つまり、構造改革が進まなかったのだ。
 最近私は、日本経済は最早、「スウェーデン・ケース」すら覚悟しなくてはいけない所まで来ているのではないか、と思うようになっている。いくら目をそらしても問題解決はできない。事の本質を冷厳に直視し、はらを据えて、それこそ「恐れず、怯まず」問題に正面から立ち向かうしかないし、それも早くしなくてはならないはずだ!
 おりしも今日、マイカルが、民事再生法を申請した。1兆7400億円という、そごうにほぼ匹敵する負債総額だ。一つ一つ問題解決するしかない。 

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