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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2002/07/23(火) NO.286号 

住基ネットは冷静に再考すべし

 自民党の「住民基本台帳ネットワークを考える議員連盟」がシンポジュームを開催し、私も参加した。櫻井よし子さんがコーディネ-ターを務め、総務省の市町村課長、コンピューターの専門家でダボス会議などを通じての私の友人でもある伊藤穣一さん、練馬区役所職員の江原昇さん、そして国会議員は約10人参加した。
 結論として、住基ネットの稼動を来たる8月5日に替え、個人情報保護法成立後に延期する議員立法を行なう事となった。
 私の延期賛成論のポイントは簡単だ。
(1) 法律の附則に明記され、小渕総理が国会答弁で明言した「住基ネットの稼動は、個人情報保護システムを整える事が大前提」という事。現在の政府見解である、「個人情報保護法案を国会提出で責任は果たした」では通じない。実効性なしでは、小渕総理の遺志は活かされない。「投資をしてしまっているからもったいない」との論は、国民の気持ちを軽視している。
(2) ICカードの空きスペースをどう利用するかは各市町村が決定する事となっており、来年以降、一体何の情報が入れられるのかが不明確だ。市町村は、例えば、国民健康保険を通じた医療情報、差別にも繋がりかねない戸籍、固定資産保有状況など、かなりの情報を持っており、どこまでが使われるのか明らかではない。
(3) ICカードを利用してアクセスされる各種情報はそれぞれ独立している、と言っても、技術的に不正アクセスされないかが不確かだ。また、「一度得た情報はもう戻らず、世の中に存在したままになる」と伊藤さんが発言した様に、今のままではプライバシー保護、セキュリティ体制に関し、安心できる体制には程遠い。
 議員立法の為の党内手続きは簡単ではない。しかし、党執行部も、官僚の説明に惑わされず、国民の目線から見た「常識」で判断して欲しいものだ。

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