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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2002/09/16(月) NO.291号 

小泉流外交に結果を

 午後2時から、愛媛県生活協同組合連合会主催の「食の安全勉強会」にて講演。BSE、雪印、残留農薬問題等々の反省の結果、来年度に創設が決まっている「食品安全委員会」が、農水省、厚生労働省などリスク管理機関から名実共に独立し、リスク評価にとどまらずリスク分析全体や危機管理対応の司令塔になるべきである事を中心に話す。地元テレビ局が3、4台カメラを回していたのでびっくり。
 午後6時半からは、10年来の仲間である「経営研究会」にて一年ぶりに講演。NGO問題、小泉首相の北朝鮮行き、経済政策、政治システムなど、広範な問題を話す。懇親会が楽しかった。経済実態が厳しいことが手に取るようにわかる。
 
 このところ展開されている「小泉外交」を私は評価している。17日はいよいよ日帰りで北朝鮮へ行かれる。行くこと自体を評価しないメールも沢山来ているが、明らかに北朝鮮内で変化が起きている時に、世界の、そして何よりも近隣地域の不安定要因である北朝鮮との話し合いのチャンスをつかまない選択肢はないと思う。通常であれば、とりあえず外務大臣を派遣するところ、あえて首相自ら行かれるところが「小泉流」だ。
 拉致問題では筋をしっかり通し、加えて幅広い問題を解決する糸口を探らねばならない。1日だけの北朝鮮行きの結果だけで成果を判断すべきではなく、少し時間をかけてみないといけないだろう。是非良い結果を出して頂きたい。
 米国でも小泉首相は、国連での演説などを通じ、米国のイラク攻撃に関し、国連決議がまず必要である旨を明確に主張され、世界の流れに大きな影響を与えたと思う。これまでの日本外交にない明快さだ。「唯一の被爆国」「戦争放棄をした国」としてのカードは、有効に使うべきだ。
 
 大事なことは、こうした「小泉流外交」に結果を出すことだ。同盟国、友好国との緊密な連携の中で独自色をしっかり出し、日本ならではの役割を果たして行くべきだろう。そして、その為にも、日本が経済的にしっかりした基盤を回復していなければならない。
 信認を失い続ける最大の原因である日本経済の停滞から脱却するためには、今回小泉首相が唱えておられる「不良債権処理の加速」を徹底しなければならない。虚心坦懐に主要行の実態を見れば、竹中大臣や諮問会議の民間議員が言っておられるように、一部行における一時国有化、公的資本注入は不可避のはずだ。98年の金融再生トータルプラン、金融国会の時から我々が一貫して主張してきた通りで、本質的に処方箋は全く変わっていない。今こそまさに日本再生と国際的な信認回復のためのラストチャンスだろう。失敗は許されない。

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