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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2002/04/21(日) NO.275号 

もぐら叩きでは直らない銀行の問題

 新聞によると、金融庁が「システム専門検査班」なるものを作り、この夏から4大グループ銀行に常駐させるそうだ。みずほフィナンシャルグループの大規模なシステム障害の教訓だと言う。まあ、それもよいだろう。しかし金融庁は、今回の問題の根本原因は、ただシステムの問題だと本気で思っているのだろうか。
 結局、金融庁の今のやり方は何か問題が起きる度に、その問題ごとに「・・・班」を作っていく「もぐら叩き手法」だ。班を作るならまず、第一に「コーポレート・ガバナンス班」が最も必要だ。後はそれぞれ個別の問題の担当者がいれば十分ではないか。
 試しに、みずほ銀行のホームページを開いてみた。今回の失態に関する「お詫びとご報告」を見て驚いた。文責は会社名だけで代表者の名前などは全く書かれていない。欧米なら、代表者の名前とサイン入りのお詫びの手紙が顧客全員に郵送されてくるだろう、と海外勤務帰りの人が言っていた。ここにこの銀行の経営の質が表れている。一時、特別顧問3人が今回の失態の責任を取って辞職する話が報道されていたが、問題が発生し、対応が後手後手になってしまった4月になって、代表権が発生した者が責任を何も取らず、既に3月末に法制上引退したかつてのCEO、今の特別顧問らが「引責辞任」する、などという案が真顔で議論されるような銀行の企業としての体質、すなわちコーポレート・ガバナンスの質に唖然とせざるを得なかった。
 今回の問題の出発点は、合併する際のシステムをどこのものにするかの鞘当が3行間で続き、結局中途半端な折衷案で見切り発車したところにありそうだ。それも、障害があることを知っての見切り発車で、顧客の事前テスト依頼も断っていた、という。三井住友銀行では、段階的なシステム移行を行い、合併後、時間をかけて慎重に新しいシステムに統合した、という。経営判断の差だ。
 三行合併というが、相変わらず「新日鉄」「第一勧業銀行」など高度成長期の合併のように、「たすきがけ人事」や「旧組織配慮方バランス人事」を続けている。持ち株会社の下の子会社人事は、基本的に3行から一人ずつ副頭取を出すという驚くべき発想だ。人件費抑制こそ重要な時に・・・。
私も旧第一勧業銀行から借り入れをしている。毎月の元利払が行なわれず、借入残高だけ半減になっている、などという都合の良い話はないものか・・・。更に、借金過多の大企業のみが恩恵を受けている「債権放棄」を中小企業や我々個人にも適用して欲しい、などと冗談のひとつも言いたくなる。そのくらい主要行の経営のタガが緩んでいるのではないか。

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