2002/09/19(木) NO.294号
早過ぎた日銀の決断
突然日銀が主要行の保有株式のうち、自己資本を越える部分の直接買取りを発表した。禁じ手だ。日銀がここまで踏み切ったのだから、民間銀行と金融庁は付いて来て欲しい、という「捨て身」の決断と聞く。カレンシー・ボードでもない国の中央銀行としては、初めて株式購入を決め、自らのバランスシートにリスクを背負ったのだ。「日銀納付金の減少」という形で税金で株式の値下がりリスクを補填することを決断したのだ。
そこまで事態は深刻で、日銀もギリギリの決断をした、と言うことだろうが、これで金融庁が、本年3月末に向けて行なった「特別検査」に毛の生えた程度の追加不良債権処理しかしなかったら一体どうなるのだ。一体どこまで政府と根回しをやったというのだろうか。私が日銀総裁なら、金融庁と内閣が、不良債権にそれこそ「捨て身」で取り組むことを決断し、実行することが確実になったことを確かめてから、初めて今回のような決断をし、政府・日銀同時実施に持っていっただろう。それも、最後の手段としてだ。場合によっては禁じ手を含むあらゆる手を尽くさざるを得ないほど事態は深刻であり、おそらく人類史上最大の不良債権を抱えてしまっているが故に、政府・日銀が一体となって取り組まなければならないからだ。もう残された時間は殆どない。
そこまで事態は深刻で、日銀もギリギリの決断をした、と言うことだろうが、これで金融庁が、本年3月末に向けて行なった「特別検査」に毛の生えた程度の追加不良債権処理しかしなかったら一体どうなるのだ。一体どこまで政府と根回しをやったというのだろうか。私が日銀総裁なら、金融庁と内閣が、不良債権にそれこそ「捨て身」で取り組むことを決断し、実行することが確実になったことを確かめてから、初めて今回のような決断をし、政府・日銀同時実施に持っていっただろう。それも、最後の手段としてだ。場合によっては禁じ手を含むあらゆる手を尽くさざるを得ないほど事態は深刻であり、おそらく人類史上最大の不良債権を抱えてしまっているが故に、政府・日銀が一体となって取り組まなければならないからだ。もう残された時間は殆どない。
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