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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2005/05/05(木) NO.400号 

世界政治、経済の中心、国連、ウォールストリートへ(5月5日)

 今日も朝食会からスタート。つい先日、日中韓3か国を回ってきたばかりのヒル東アジア担当国務次官補と、ストラウブ国務省日本部長の2人だ。ヒル氏は6者協議の代表を務め、日本でおなじみになっていたケリー氏の後任だ。6者協議中断後、この6月で1年が経ち、閉塞状態。いつも問題になるのは、如何に中国がもっと真剣に北朝鮮に「圧力」をかけざるを得ないようにするか、であり、最終的に国連安保理の場で拒否権を使って北朝鮮を弁護して、世界の非難を浴びたくない中国に、「ならば北朝鮮に6者協議に復帰するよう、強力に働きかけるしかない」と、自覚して行動してもらうかだ。米中首脳会談が夏までに予定されている、と言われているので、それまでに事態の好転を期待したい。韓国やロシアもなかなか圧力路線を取り得ない以上、いよいよもって事態打開には、日米の協力が必要だ。

 一路ニューヨークへ飛ぶ。国連日本代表部事務所にて大島国連大使らから説明を受けた後、アナン事務総長と会う。国連改革、日中関係、朝鮮半島問題など、予定をオーバーして30分間の会談となる。各国外務大臣クラスが列をなして待っている中、事務総長に感謝。アナン氏が国連として日中友好関係、北朝鮮問題の先行きを如何に懸念しているか、よく分かった。

 会談では出なかったが、日本の常任理事国入り問題は、いよいよ当面の佳境にさしかかりつつあり、外務省は、既に応援部隊を国連代表部に集め始め、実際我々に同行した職員の一人も在フランス大使館から応援に来ている、とのこと。近々全世界にいる日本大使を東京に全員集合させ、それぞれの政府への働きかけなどを加速するよう、町村外務大臣からハッパをかける予定という。もっとも、「佳境」と言ってもそれはあくまでも短期的戦術面でのことであり、外交戦略は、このような時のために普段から緻密に組み立て、実行していなければならないものだろう。ODAに関しても、国内財政の論理のみが優先されてその額が決定されるだけではダメで、国民の理解をも得られる戦略的援助を平時から行っていなければいけない。ここは政治の責任も大いにある。

 続いてNY証券取引所を訪ねる。テロ対策上取引所のはるか手前で車は進入禁止となるが、今日は取引所の真ん前まで車で入れた。日本の財務省担当官の話では、9・11以降車を取引所に横付けできた日本人は、竹中金融担当大臣(当時)についで二人目、とのことで、取引所の配慮が伺われる。

 取引所幹部の案内で、ごった返す取引所のフロアーに入り、説明を聞く。事務局の代表は、比較的最近までゴールドマンサックス証券・東京にいた私のよく知る人だった。今日の午後4時の締めの鐘は、昨年合併して最近NYへ上場したエアフランス・KLMの会長が行う。丁度、フォード、GMが「ジャンク(投資不適格)」に格下げされた日に当たり、市場で働く人々もやや興奮気味。場内を見下ろし、鐘を鳴らす「せり出し」に移り、記念撮影。せり出し前のスクリーンには、日の丸が映し出され、サービス精神旺盛なところを見せてくれる。

 会議室に移動の上、取引所のブリッツ共同最高執行責任者からの説明を聞く。投資家保護、危機管理など、様々なことを考えながら運営に当たっていることがよく分かる。NYに上場する外国会社500社のうち、日本からは19社という。世界経済のシェアを考えると、いささか少なすぎないか。証券市場は資本主義経済のエンジンのようなもの。日本の東京証券取引所などについても、真剣にあるべき姿や役割を整備する必要があろう。これもまたお役人任せにせず、政治が責任ある行動をとるべきだ。

 夜は、同行マスコミ12社の記者さんと懇談。終了後、皆でブロードウェイにてミュージカルを見る。やはり「本場」のアクターの皆さんは歌も踊りも演技も、うまい!

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