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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2006/01/06(金) NO.421号 

2日間のワシントン滞在を終える(1月6日)

 朝、クラウチNSC安全保障担当次席補佐官をホワイトハウスに訪ねる。アジア担当上級部長代行を務めるワイルダー中国部長とチャー日本・朝鮮・大洋州部長も同席。国連改革、東アジアの地域主義など、幅広く意見交換を行う。ダイナミックな考え方を感じる。

 ホテルのロビーにて、高校生時代に一年間お世話になった「カリフォルニアのお母さん」と再会!82才だと思うが、前回サンフランシスコであったときと余り変わっておらず、元気そうで嬉しかった。私の部屋で40分余り様々な話に花が咲く。彼女が長男である私のホストブラザーと一緒に日本を訪れたい、との事。是非お母さんが元気なうちに、日本を見てもらいたいものだ。早速具体的な計画を立てよう。

 朝日新聞出身で、現在ブルッキングス研究所にて研究をされている、旧知の船橋洋一氏と昼食を2人でとりながら、実り多きひとときを過ごす。

 午後、国務省にてゼリコウ国務省顧問、バーンズ国務次官と続いて面談。ゼリコウ氏は極めて冷静、いかにも学者出身者で、実に論理的に東アジアにおける地域主義の台頭に関する米国務省の考えを展開する。バーンズ次官は極めて整然とした考え方を外交的雰囲気で示すとともに、意見交換も楽しむ。

 引き続き米国議会にて、上院外交委員会補佐官のキース・ルース氏と会う。外交畑にて豊富な経験を積んだ、極めて思慮深い議会スタッフだ。行政府とは少し温度差があり、東アジアサミットから米国がはずされる事の意味合いを真剣に考え、行動していたようだ。東アジアサミット参加16カ国が世界の人口の約5割を占め、名目GDPは今こそ22%強だが、中国、インドの急成長でそのシェアーは早晩格段に高まる事、などを正面から受け止める。また、北朝鮮、ミャンマーなどについても独自の考え方を示し、良い意見交換となった。かねてから私の会議仲間でもあるルーガー委員長に今日の会談内容を確実に伝える事を約束してくれる。

 夕方5時半よりナショナルプレスクラブにて記者会見。その後駐米大使と夕食をともにしながら、意見交換をする。ホテル帰還後、かねてから親しい邦人記者と街に出て一杯。

 今回の訪米において、東アジアの地域主義、国連改革、中国の台頭などの諸問題に関する米国政府の公式見解と本音を再確認するとともに、意見交換の中では特に本音部分の本質に触れる事ができたと思う。改めて、日本独自の外交戦略、戦術のあり方とその重要性を重く考えさせられた。

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