2008/04/01(火) NO.466号
ブレアの過ちを繰り返すな(4月1日)
ついに今日から揮発油税など道路特定財源の暫定税率がなくなり、ガソリンスタンドなどでの混乱が現実化してしまった。朝のワイドショーなどでも繰り返しその混乱の模様が報道されている。結果の出せない政治により、国民生活にこうしたしわ寄せが起きることは許されず、政治への信頼喪失は計り知れない。国民の代表として国権の最高機関としての国会に送り出された国会議員は、政党間で例えどれだけ広い隔たりがそれぞれの主張にあろうとも、最後は政策的には歩み寄りをして国民生活を最優先に結果を出さねばならない。生活現場の混乱は著しく、一日も早く事態を収拾すべきだ。その前提は、国民の理解。与党としての考えをしっかり国民に伝え、暫定税率の復元や2009年度からの一般財源化の具体化など、今後取る政策への理解を頂く努力をねばり強く続けていかねばならない。
これまで何度も述べてきたが、暫定税率については、国・地方の財政、地方の道路整備などへのダメージは甚大だが、それと共に環境問題への配慮の観点からも、ガソリン価格の引き下げに繋がる税制変更は取り得ないだろう。これは税収問題であると共に、ガソリン等の価格によるCO2排出抑制などのエネルギー環境政策の問題でもあるのだ。今朝の自民党本部での環境合同会議でも議論になっていたが、国立環境研究所の試算によれば、暫定税率廃止により、年間8百万トンのCO2が余計に排出されることとなる。これは京都議定書における削減目標「マイナス6%」の十分の一、約0.6%分の排出量の増加に当たる。日本全体の森林による吸収量との比較で言えば、約17%、四国二つ分の森林が新たに必要になる量だ。ガソリン価格の低下を踏まえた今後の燃料消費増、車の大型化により、7〜8年経過後には追加排出量が年間24百万トンにまでさらに増えるとの試算も出されている。
英国政府は原油価格高騰の中、昨年10月、今年10月、来年4月の合計3回ガソリン税を引き上げる計画であることを以前に述べたが、今年の予算書では、さらに2010年4月にもガソリン税を引き上げ、CO2排出削減と省エネ投資促進を図る、との方針を明らかにした。英国ブレア前首相は、今でこそ気候変動問題の世界のリーダー格と目されているが、実は彼も2001年には、原油価格高騰を受け一部のガソリン価格を引き下げたことがある。しかし、すぐに環境保護団体から徹底的に非難され、03年10月にガソリン税を再び引き上げざるを得なくなった苦い経験を持っている。
7月に迫った北海道洞爺湖サミット。来年末までにポスト京都議定書の枠組み合意を得ることとなっている中、地球温暖化対策は最重要議題。世界に冠たる環境関連技術を持つ日本にとってはこの問題でリーダーシップを取るチャンスの年でもある。その時に、世界の潮流と正反対の政策を取り、みすみすこのチャンスを棒に振ってしまった場合の国益への損失は計り知れない。 もちろん、ただでさえやり繰りにご苦労頂いている地方の財政混乱や住民の不安も早期に収拾しないといけない。
これまで何度も述べてきたが、暫定税率については、国・地方の財政、地方の道路整備などへのダメージは甚大だが、それと共に環境問題への配慮の観点からも、ガソリン価格の引き下げに繋がる税制変更は取り得ないだろう。これは税収問題であると共に、ガソリン等の価格によるCO2排出抑制などのエネルギー環境政策の問題でもあるのだ。今朝の自民党本部での環境合同会議でも議論になっていたが、国立環境研究所の試算によれば、暫定税率廃止により、年間8百万トンのCO2が余計に排出されることとなる。これは京都議定書における削減目標「マイナス6%」の十分の一、約0.6%分の排出量の増加に当たる。日本全体の森林による吸収量との比較で言えば、約17%、四国二つ分の森林が新たに必要になる量だ。ガソリン価格の低下を踏まえた今後の燃料消費増、車の大型化により、7〜8年経過後には追加排出量が年間24百万トンにまでさらに増えるとの試算も出されている。
英国政府は原油価格高騰の中、昨年10月、今年10月、来年4月の合計3回ガソリン税を引き上げる計画であることを以前に述べたが、今年の予算書では、さらに2010年4月にもガソリン税を引き上げ、CO2排出削減と省エネ投資促進を図る、との方針を明らかにした。英国ブレア前首相は、今でこそ気候変動問題の世界のリーダー格と目されているが、実は彼も2001年には、原油価格高騰を受け一部のガソリン価格を引き下げたことがある。しかし、すぐに環境保護団体から徹底的に非難され、03年10月にガソリン税を再び引き上げざるを得なくなった苦い経験を持っている。
7月に迫った北海道洞爺湖サミット。来年末までにポスト京都議定書の枠組み合意を得ることとなっている中、地球温暖化対策は最重要議題。世界に冠たる環境関連技術を持つ日本にとってはこの問題でリーダーシップを取るチャンスの年でもある。その時に、世界の潮流と正反対の政策を取り、みすみすこのチャンスを棒に振ってしまった場合の国益への損失は計り知れない。 もちろん、ただでさえやり繰りにご苦労頂いている地方の財政混乱や住民の不安も早期に収拾しないといけない。
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