2009/07/01(水) NO.534号
堀江からのフェリーと紀伊国屋の話(7月1日)
昨日発表された5月の完全失業率は5.2%に悪化、有効求人倍率も、0.44倍と、過去最悪を更新した。愛媛県内でも、有効求人倍率が0.51倍と10ヶ月連続悪化し、第二次石油危機以来の水準となった。以前も書いたように、松山で企業を歩いている限り、政府の「景気底入れ宣言」は全く実感できないし、むしろ雇用情勢はこれからも深刻さを増すのではないか、というのが肌で感じる私の実感だ。
例えば、昨日、松山市堀江〜呉市阿賀間のフェリーの運行が経営不振のため停止された。運行停止発表後、すぐに堀江港前にある堀江食堂に旧知で親しい経営者の松岡さんを訪ねると、いつもはにこやかな松岡さんが呆然とした表情で座っていた。「これでお客の2割は減る。何とかして欲しい。しかし、離職する船員さん達も心配だ」という。気になったのですぐに国土交通省に問い合わせ、離職者の詳細を調べてみた。驚くことにこのフェリー会社の離職船員35名のうち大半の32名が松山市在住なのだ。皆さん、今日から職場を失ってしまう。
離職者の方々は平均年齢39.2歳、平均勤続年数12.3年。約8ヶ月間は失業保険が支給されその後最長3年間、職業訓練を受けている間、給付金が支給されるが、何よりも大事なのは、失業給付より、できるだけ早く次の職場を確保することだ。なんとか政府としても彼らの雇用確保を支援して欲しいと、担当者に地元の切実な声を伝えた。
また、7月末には町の象徴的な存在でもあった紀伊国屋書店松山店が閉店する。閉店発表直後に店長さんを訪ね、事情をお聞きすると、「郊外書店の増加、堀之内のがんセンター、野球場、プールなど諸施設が移転されたことなどもこたえ、閉店を余儀なくされ、残念だ。33名の職員の大半が次の仕事を自力で探しておられる」とのことだった。幸い9月に神戸が本社のジュンク堂書店が同じビルに出店するようになったようだが、是非離職者をできるだけ採用し、雇用の悪化を防いで欲しいと思う。
いずれにしても、短中期的には、生産が少し上向いても、所詮は水中深く潜ったままの水準で、新規雇用にはそう簡単に結びつかないだろう。むしろ雇用調整助成金でいつまで雇用を維持できるか、そして、景気低迷によって正規職員の雇用に手を付けざるを得なくなるのはいつか、気を緩めることは当分の間、できない。厳しい経済情勢が続くが、将来への希望があればまだ耐えられるものもある。地方の活力を取り戻すために、官民で協力してありとあらゆる知恵を絞っていきたい。
例えば、昨日、松山市堀江〜呉市阿賀間のフェリーの運行が経営不振のため停止された。運行停止発表後、すぐに堀江港前にある堀江食堂に旧知で親しい経営者の松岡さんを訪ねると、いつもはにこやかな松岡さんが呆然とした表情で座っていた。「これでお客の2割は減る。何とかして欲しい。しかし、離職する船員さん達も心配だ」という。気になったのですぐに国土交通省に問い合わせ、離職者の詳細を調べてみた。驚くことにこのフェリー会社の離職船員35名のうち大半の32名が松山市在住なのだ。皆さん、今日から職場を失ってしまう。
離職者の方々は平均年齢39.2歳、平均勤続年数12.3年。約8ヶ月間は失業保険が支給されその後最長3年間、職業訓練を受けている間、給付金が支給されるが、何よりも大事なのは、失業給付より、できるだけ早く次の職場を確保することだ。なんとか政府としても彼らの雇用確保を支援して欲しいと、担当者に地元の切実な声を伝えた。
また、7月末には町の象徴的な存在でもあった紀伊国屋書店松山店が閉店する。閉店発表直後に店長さんを訪ね、事情をお聞きすると、「郊外書店の増加、堀之内のがんセンター、野球場、プールなど諸施設が移転されたことなどもこたえ、閉店を余儀なくされ、残念だ。33名の職員の大半が次の仕事を自力で探しておられる」とのことだった。幸い9月に神戸が本社のジュンク堂書店が同じビルに出店するようになったようだが、是非離職者をできるだけ採用し、雇用の悪化を防いで欲しいと思う。
いずれにしても、短中期的には、生産が少し上向いても、所詮は水中深く潜ったままの水準で、新規雇用にはそう簡単に結びつかないだろう。むしろ雇用調整助成金でいつまで雇用を維持できるか、そして、景気低迷によって正規職員の雇用に手を付けざるを得なくなるのはいつか、気を緩めることは当分の間、できない。厳しい経済情勢が続くが、将来への希望があればまだ耐えられるものもある。地方の活力を取り戻すために、官民で協力してありとあらゆる知恵を絞っていきたい。
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