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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2008/10/22(水) NO.487号 

国は同胞を守る責任がある(10月22日)

 昨日はテロ特措法の衆議院採決のために上京した。金融経済危機に関する日経ビジネス誌のインタビューや、再び与党筆頭理事を務める法務委員会委員部との打ち合わせなどを急ぎ済ました後、衆議院本会議に出席。

 本会議では、まず民主党の対案である「アフガニスタン復興支援特措法案」が採決された。この法案は、自衛隊をアフガニスタンの「抗争停止合意地域」に送り込み民生復興支援活動をする、としているものだが、この民主党案は紛争現場の実情とまったく乖離した机上の空論であるといわざるを得ない。私は、2001年12月にアフガニスタン北部の重要都市であるマザリシャリフを視察して以来、関心をもってこの問題には取り組んできたが、ひとつだけ断言できることは、現在アフガニスタンに「抗争停止合意」が形成されているところなどどこにもないということだ。驚くことに、民主党の法案提出者も「現在そうした地域はない」と認めてしまった。

 安全保障という国民の生命・安全にかかわる最も重要なテーマについて、最初からおよそ機能しないことがわかっている法案をなぜ提出するのか。このように国際社会を馬鹿にするような法案による日本の国際的信用への被害をどう考えているのか。政権交代を叫ぶ民主党の政権担当能力と不安定な安保政策にあらためて強い疑問を抱く。私は反対票を投じ、民主党案は否決された。

 24人の同胞の命を奪われた日本政府としては、反テロに敢然と立ち上がるのは当然だと思う。そして、国際協調の中で日本がギリギリできることとして、武力行使は伴わない「海上阻止活動」を行う艦船への給油は非常に意味ある貢献だと思う。前原代議士など民主党にも本音での賛同者が多いことは周知のことだ。テロ特措法に一票を投じ、無事採決を見届けた。

 本会議後、自民党本部で外交関係合同会議があり、米国による北朝鮮のテロ支援国家指定解除問題と、中国産冷凍インゲン問題について議論を行った。自民党の対外経済協力特別委員長に就任したことから、冒頭で挨拶を求められる。

「外交は、すなわち内政であるというのが私の信条です。外国ばかり見ず、常に自国民に体を向けて、外交のあり方を考えていきたい。」と、自身の抱負を述べさせてもらった。

 外交関係合同会議では、出席議員から今回の米国のテロ支援国家指定解除の決断についての厳しい意見が飛ぶ。「麻生総理を含め日本政府に発表30分前まで伝えられなかったのではないか」、「日米同盟といいながら、日本は米国に軽く見られているのではないか」などなど、いずれも当然の懸念であろう。これに対し、外務省の担当者は苦しい答弁に終始していた。

最後に委員長として、政府の対応を促した。

「テロ支援国家指定の問題は、昨年から拉致家族の皆さんはもとより、国民全体が、果たして日本の総理や政府は国民を本気で守り通す覚悟があるのかどうか、との観点から政府の姿勢を注視してきた問題です。今回米国政府が解除決定をした際、総理は日本国民に対し談話を出し、経緯説明はもちろん、拉致問題への取り組みの覚悟の程、すなわち、自国民である日本人の命は守り通す、との覚悟を率直に示すべきでした。次回六者協議の際には、非核化への取り組みに加え、改めてそうした国民向けメッセージを総理は出してもらいたい。」

「外交は内政そのもの」であることを、これからも強く訴えていきたい。