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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2010/11/01(月) NO.623号 

ビデオは全面開示すべき(11月1日)

 朝8時から、衆・参予算委員会理事等約30人とともに、国政調査権に
よって衆・予算委員会に提出された尖閣諸島沖衝突事案ビデオを観た。

 内容をみれば、中国船による明白な公務執行妨害事件であったことが
一目瞭然である。今回のビデオからは、わが国領海内の法律違反事件と
して日本政府として淡々と中国人船長を起訴すべきであったことが明ら
かになった。今回のビデオは直ちに国内のみならず世界に全面公開し、
少なくとも処分保留で釈放するまでは日本がとった措置に何らの問題が
なかったことを発信すべきだ。

 ビデオに映し出された内容は衝撃的なものだった。網を慌てて上げ突
然発進し、1300トンの「よなくに」の船尾に左旋回しながら明らかに意
図的に衝突する160トンの中国漁船。海保職員がスピーカーから中国語で
、「停船せよ!逃げるな!」と繰り返し呼びかけるも、無視して逃走を
続ける。デッキには数人の漁船員が平然と立ち、巡視船を眺めている。
ふてぶてしい態度でくわえたばこをしている男もいる。

 その40分後、同漁船は並走状態からスピードを上げながら左旋回の
上、180トンの「みずき」の右舷に衝突、撮影しているビデオカメラがそ
の衝撃で大きくゆれ、「衝突してきた!」と船内放送の声がうわずる。繰
り返し中国語で停船命令を発するが、平然と逃走を続ける中国漁船。

 この後約2時間後、領海外に逃げ出した中国漁船に海上保安庁巡視船が
強制接舷の上、船長等の身柄を拘束し、逮捕に至る。しかし、なぜか肝心
なこの部分の映像は公開されなかった。その際に海上保安庁職員が負傷し
たとの情報もあり、今回の事案の全体像を明らかにするためにも、海上保
安庁撮影の2時間余のビデオ全編の公開が必要だ。

 ビデオを見た後の衆・予算委理事会で、私は委員長に対し、先週金曜日
の理事会で確認したように、本ビデオの全面一般公開を含め今後の扱いを
理事会で協議するよう提案した。驚くことに、中井委員長は「一般公開は
ありえない。公開以外の扱いについては議論してよい」ととんでもない姿
勢だ。

 ビデオに映し出されたのはまぎれもない歴史的事実。国益を左右するこ
れほど大事な問題を、一部の政治家や官僚の思惑や裁量で隠蔽・改ざんを
疑われるような対応をすることは決して許されない。今後、全面的な一般
公開目指してビデオ公開問題は厳しく追及しなければならない。