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2011/04/08(金) NO.649号 

補正予算財源は、バラマキ政策中止から(4月8日)

 震災復旧第一次補正予算の規模が段々と固まりつつあるようで、報道によれば昨日段階では4兆円規模。同時に財源論が議論の焦点になりつつあるが、当然、このような非常時には、平時に考えついた選挙向けバラマキ政策を中止することから始めるべきだ。

 昨日の報道で、民主党の岡田幹事長がODA予算の2割削減、1,145億円の財源捻出を提案している。「海外からも理解されると確信している」とし、昨秋まで「ODAの絶対量を増やすべきだ」と主張していた外務大臣であったとは思えない提案だ。今回の地震・津波災害に際しては、134か国・地域などが支援表明をしており、中には、義捐金の申し出をしてくれるアフリカなどの最貧国なども多いという。

 確かに、非常時だから、聖域なしに既存予算を見直すことは当然で、ODA予算も例外であるはずがない。しかし、そうならば、まずは選挙向けバラマキ政策から切り込むべきだろう。子ども手当2.2兆円、農業戸別所得補償6,000億円、高校無償化4,000億円、高速道路無料化社会実験1,000億円、などは即刻中止し、さらに予備費など1.2兆円などを活用すれば、約5兆円の財源はすぐできる。ODA予算の中でも、感染症対策関連など、小さな国際機関予算やNGO支援関連予算などは、日本の予算規模からすれば小さな額のものでも、受け取る側にすればとても大きなウェイトを占め、事業遂行が困難になるケースすらあることは、これまでの経験で我々は知っている。

 2010年のOECD・DAC諸国で見ると、ODA支出純額は23カ国中第5位だが、対GNI比は20位の低水準にある。予算額で見ると、平成9年度の11,687億円をピークに12年連続減少し、今年度は5,727億円と、ピーク時に比べると半減(51%減)している。

 そもそも高濃度の汚染水が流出し続いていたことが判明し、さらに、政府から対外的に何らの説明もなしに「低レベル」放射性物質を含む水を放出したことにより、既に韓国、ロシアなどから厳しい批判が寄せられている。太平洋が広い、といっても、一方的に放射性物質を放出すれば、南太平洋の島嶼諸国やアジア諸国も安閑としていられなくなるは当然だ。日本としては今回の原発事故に関し、申し訳ない、との気持ちを強く持って、国際社会と接するべきだ。そうなれば、真っ先にODA予算を切る、という事にはなるまい。

 さして効果のないバラマキ政策を残したまま復旧、復興予算を組むことは、将来の税負担増につながることになることを肝に銘じながら、迅速な震災・津波被害対応をすべきだ。

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