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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2011/08/21(日) NO.674号 

国益、人類益のための事故調査委

 4月から私が唱え続け、民主党を含め多くの賛同と議論深化を経つつあったものの、今国会成立のタイムリミットのため、やむなく自民党・公明党・たちあがれ日本の野党3党でとりあえず共同提案した、福島原発事故調査委員会を国会に設置する議員立法。それに関する与野党実務者協議がようやく一昨日始まり、今国会での成立を目指すこととなった。

 出席した自民党、公明党、共産党、社民党とも法案の趣旨に賛同し、今国会中の成立に関しても概ね合意が見られた。後は民主党の決断が待たれる。

 民主党の一部に、この法案が、既に存在する政府による事故調査委員会を否定するもの、との見方があるとの情報もあるが、そうだとしたら、それは誤解だ。スリーマイル原発事故の際、米国では少なくとも4つ以上の調査が行われ、米国民、世界はそれぞれを冷静に比較検証して真実を探り、その後の原発のあり方を考えたはずだ。

 立法府が設置したNRC(原子力規制委員会)の監督に疑問符が付けられたからこそ行政府の長たるカーター大統領は、事故発生後2週間で命令によりケメニー委員会を立ち上げた。NRC自身もロゴビン委員会を作り、さらに外部の2研究所に調査委託もしている。

 様々な角度から光を当て、真実を究明し、将来に役立てることが大事で、それができることこそが民主主義の熟度の高さを表すのではないか。たった一つの、それも監督当事者である政府の調査委員会のみでしか真相解明に当たらない日本、となれば、世界の失望は大きいのではないか。

 これまで、民主党とは同法案の協議について、民主党政調「原発事故影響対策プロジェクトチーム」(荒井聡座長)にてかなり深めてきた。残す1週間余りの今国会で是非成立に導きたい。そのことが、国益にとどまらず、人類益、地球益の問題として日本が世界に対する責任を果たすこととなるのに加え、大震災後、日本が世界から頂いた数々の心の籠もった支援への答礼ともなろう。