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中央公論-2006年8月号掲載記事

中央公論インタビュー 中国の高校生1100人がホームステイで生の日本を体験

将来の日中関係を担う高校生による日中21世紀交流事業がスタートした。「高校生の交換留学は国家百年の計」と語る塩崎恭久外務副大臣に、交流事業についてお話を伺った。

将来の日中の架け橋に
日中関係は近年、各種の世論調査が示しているとおり、お互いの国民感情の悪化が懸念されています。そんな中で、この5月、中国の高校生200名が来日し、日中21世紀交流事業がスタートしました。その意義、狙いをお話しいただけますか。

塩崎 日中関係は、経済的には香港も含めた貿易額は2271億ドル(2005年)に達し、日米を上回る規模になっており、また、人的にも年間約417万人が行き来しています。また、中国では日本の投資で年間約1000万人の雇用を創出しています。一方、日本にも中国の人が大勢います。つまり、人も物も金も、お互いになくてはならない関係になっているのです。
 ところが、政治的には時々問題が起きているわけです。お互いに必要不可欠な関係になっているときに、二国間関係をどうスムーズに行うことができるか、政府として何ができるか、と考えた場合、基本的には、人と人との理解、心の通い合いだと思います。
 私自身、高校生のとき、1年間、米国に留学しました。高校時代は、もっとも多感で、新しいもの、新しいこと、新しい感覚を吸収するのに一番いい年代です。日中の間でも高校生同士が、お互いを知って、心と心の通い合う交流をすることが大事ではないか、ということで日中21世紀交流事業を立ち上げたのです。青少年交流の中でも特に高校生に力を入れた短期と中長期の交流プログラムをつくりました。プログラムは、年間1100人を、5回に分けて10日間程度受け入れるというもので、必ず日本の家庭でホームステイをしてもらいます。日本人の心に接してもらうことを織り込んだプログラムで、5月16日から24日までその第1陣の200名が来日したわけです。
 長い目で日中関係を強固なよい関係にするために、高校生という若い世代にその役割を担ってもらい、将来の日中の架け橋になってもらいたいと考えています。

バラエティに富んだプログラム
とても盛りだくさんのプログラムですね。

塩崎 約10日間という短い期間に、日本のいろいろな側面を見て、吸収してもらおうということで、日本の伝統文化から科学技術まで、バラエティに富んだ硬軟いろいろなプログラムを組みました。なかでも、ハイライトは、同じ年代の高校生の家庭でホームステイを行い、日本の高校で共に高校生活、授業、クラブ活動を体験してもらったことです。中国の生徒たちには、古い日本、新しい日本、生の日本を体験し、理解を深めてもらえたと思います。

交流した高校生たちの反響はいかがでしたか。

塩崎 相当熱い思い出をつくったようですね。「別れ際にクラスメートやホームステイの家庭の人たちと涙の別れをした。また帰ってきたい」とか。「日本人は歴史を否定し書き直し、冷たい人たちと思っていた。しかし、全然そうじゃなくてむしろ、丁寧で、温かくて礼儀正しい」「ホームステイの家庭での温かいもてなし、お互いに譲り合う精神に驚いた」とか。なかには「ヨーロッパに留学しようと思っていたけれど、日本に留学したくなった」という意見もありました。10日間という短期間でしたが、非常にいい経験をしてもらいましたので、8月の第2陣の来日が待ち遠しいですね。

息の長い交流プログラムに
この交流事業の今後の展望をお聞かせください。

塩崎 高校生には、日本も中国も受験競争という問題があります。9月には中国の高校生を中心とした1年間の長期プログラムが始まります。
 今回約40名ほど来日する予定ですが、それでも、受験にマイナスということも必ずしもないでしょうし、人生にとっては、他人と「同じ釜の飯を食う」のはいい経験です。ましてや、誤解を生みやすいこれまでの両国関係を考えてみると、短期間でこれだけ感動を与えるプログラムをもっと充実・拡大させ、進めていきたいですね。
 交流プログラムには、環境や福祉といった今後の中国で役に立ちそうな分野も計画していますし、息の長い交流プログラムとして大きく発展していけたらいいと思います。お互いにもっと気軽にいい交流ができ、またホームステイを受け入れる家庭も自然にできるようになれば、日中関係も本物になるのではないか、と思っています。