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週刊エコノミスト-2004年11月16日号掲載記事

「商法改正は『仏作って、魂入れず』だ」

 これまでの商法改正は、経営側のニーズを受け、現実問題と商法の乖離を埋める必要性から行われてきたもので、経営の自由度を高め、選択肢を増やす観点からの改正が中心だった。中長期的な視点にたって、資本市場と向き合い、株主や投資家のためにはどうあるべきかといった発想は欠落していた。コーポレートガバナンスの体制や手段は揃い、仏は作ったものの、魂が入っていない。緩い規制の下で、いかに経営者の自己規律を高めるかが大きな課題だ。
 西武鉄道では、30年以上にもわたって有価証券報告書の虚偽記載が行われていたことが明らかとなり、大きな問題となっている。内部統制・監査システムが機能していなかったわけだが、西武鉄道を特殊なケースとすべきではない。日本の資本市場を支えている制度が、企業不祥事を妨げない形骸化した制度となっていることに問題がある。公開会社で、株主や投資家を向いた本当の経営がなされていない実態をどう改善すべきか、真剣に検討するときだ。
 自由民主党法務部会・商法に関する小委員会は、今年6月に企業の内部統制システムの構築や手続きなどを取締役会の決議事項とし、開示義務を明確化する方向性を打ち立てた。さらに私は、社外取締役・社外監査役の要件を厳格化することが必要だと考えている。米ニューヨーク証券取引所は規則で、現経営者からの「独立性」が確保されている。日本では、社外性が要件であるため、親会社の者が社外取締役になることも可能だが、米国ではそれは認められていない。また同規則には、「当該会社等と重大な取引上等の関係がないこと」という要件もある。利害関係にあるメーンバンク等の役員が社外取締役や社外監査役に入るのは認められない。日本でも、こうした要件を定めていく必要があるだろう。