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朝日新聞-2002年2月27日

NGOと政府-人材交流で相互理解を-

アフガニスタン復興支援会議へのNGO(非政府組織)参加拒否は、NGOの台頭に対する利益誘導型政治家の危機感が背景にあるとも指摘される。政府とNGOはこれから、互いが有効に機能し合う関係を、どう築いていけばいいのか。

―― 一連の事態をどう受けとめていますか。
「お上の気に入らないNGOは会議に入れないよ、という今回の件で、『公益』とは何かを考えさせられた。公益法人の設立が主務官庁の許可を得なければならないような、役所が公益を定義するという考え方は、今や時代の思潮にも実態にも合っていない」
「昨年12月17日、われわれはアフガン北部のマザリシャリフに入って、北部同盟のドスタム将軍と会った。ピースウィンズ・ジャパンの代表を務める大西健丞氏の仲介だった。外務省職員がアフガニスタンに正式に入国したのは20日だが、日本のNGOはすでに11月の終わりから現地で活動をしていた。つまり、お上がいようといまいと公益はある。そしてNGOと外務省が協力して現地の公益のために働いているのが実態だ」

―― 外務省のNGO理解が遅れているのでは。
「外務省の職員はコソボ難民支援の経験からも、NGOの役割については深く理解をしていると思う。今回はやや突発的な出来事ではないか。むしろ私が心配するのは、そのためにNGOに対する誤解が生まれ、NGOに対する支援の流れが途絶えることだ。

―― NGOと政府の関係をどう改善しますか。
「NGOが現地の公益のためにいかに活動しているか、政治家がよく理解する機会を早くつくりたい。外務省とNGOの間の人材交流を進める必要もある」

―― NGOを支援するための税制が不備だとの指摘があります。
「NPO(非営利組織)法人への寄付に対する税制優遇措置は昨秋に始まったが、国税庁が認定したのはわずか2法人。総収入に占める寄付金の割合が3分の1を超えていること、など認定条件が厳しい。来年度の税制改正で緩和策を議論できるようにしたい」

―― 国際協力事業団など政府系援助機関とNGOは競合するのでは。
「場所によると思う。パキスタンやアフガニスタンではNGOが先行していた。昨年起きたインド西部大地震の際は、自衛隊がテントを置いて帰ったが、現地で組み立てられず、日本のNGOが組み立てたと聞く。外交関係から政府が動けない場合もある。そんなときNGOが活動できれば、外交の厚みも増す」

―― 役所に権限や影響力を行使する政治家にとって、NGOの存在はじゃまなのでは。
「政府の途上国援助(ODA)予算のうち、NGO対象の補助金は来年度予算案で55億円あり、今後も増えるだろう。ここに特定の政治家の影響が及ぶようなことになってはまずい。それを排除するには、外部監査などを通じ、予算の執行や決定過程の透明性を確保していくしかない」