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愛媛新聞-2001年9月24日

対北朝鮮コメ支援視察 塩崎代議士に聞く

衆議院議員 塩崎 恭久

日本から北朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への五十万トンのコメ支援で、適正に配布・使用されているか調査するため訪朝していた政府視察団が22日夜、五日間の日程を終えて帰国した。昨年十月にコメ支援を決定した際の自民党外交部会長で、視察に同行した塩崎恭久衆議院議員(愛媛一区)に現地の事情などを聞いた。

〜適正配布今後も必要〜

―視察地域や場所は。
(首都平壌を起点に、日帰りできる平安南道、平安北道、黄海北道と南浦市。託児所や保育園、幼稚園、小児病院などを訪問した。これら施設はもっとも食糧不足の被害を受けるとされており、日本側も人道上の見地から重点配布を要望していた。

―支援米の配布・使用状況は。
「日本から送られたコメの袋を各施設で目にすることができ、適正に配布されていることを確認した。北朝鮮国内に5ヵ所の事業所50人のスタッフを抱える国連の世界食料計画(WFP)が月に250回程度、食料配布施設のモニタリング調査をしている。港に着いた船一隻ごとに配布先や対象人数、量などを細かく記録したファイリングを行っており、湊から最終受益者まで適正に支援米を配布するシステムが構築されつつある」

―配布状況に問題はないということか。
「そうではない。今回の日程や視察先は、あくまで北朝鮮側がアレンジしたものだ。国内にはいくつも立ち入り禁止区域がある。これら地域には食料は送れないとWFPは説明するが、実際は分からない。軍事部門などに転用されていないか。今後も粘り強い調査が必要だ」

―施設を視察した感想は。
「子どもたちや関係者は、日本への感謝の言葉を繰り返していた。深刻な栄養失調の子は少ないようだが、十分体力があるようにも見えなかった。体力が落ちるとできる『とびひ』がある子も多数いた。保育園ではどんぶり飯、豆腐とワカメのスープ、野菜のおひたしという献立を見た。なぜ、どんぶり飯かというと、おかずがないから。コメで栄養を補っており、玄米に近い状態で食べていた」

―農業事情はどうか。
「大規模な共同農場も視察したが、コメやトウモロコシは生育不足でひどい凶作だった。現地の担当者によると、今年も大干ばつに見舞われ、田植え時期に雨がほとんど降らなかったという。このためコメは収量が上がらず、トウモロコシも芽が枯れてしまい、植え直したらしい。トウモロコシはまだ全く熟れていないが、まもなく霜が降り始めるため、未成熟でも仕方なく収穫せざるを得ないという。こうした地域が数多いと聞いた」

―なぜ慢性的な食糧不足に陥るのか。
「干ばつとはいえ、国内には川もあり、上空からは湖も見える。かんがい設備が整っていないため、水が田に引けない。北朝鮮国内には肥料工場が3ヶ所あるが、電力事情から1ヵ所しか稼動していないという。インフラ設備が遅れているのが根本的原因だ」

―今後の支援をどう考えるか。
「正式な追加支援の要請はなかったが、支援継続の期待は寄せられた。ただ日本としては際限なく支援するわけには行かない。日本人拉致(らち)疑惑やミサイル開発問題など課題も残されたままだ。支援を続けることで逆に北朝鮮国内の農業基盤が進まず、国民が犠牲になる恐れもある。北朝鮮は何より、資源配分の見直しを含めた構造改善策が求められるはずだ。町に軍人の姿が多いことや、戦車が走っている風景を見て、強くそう感じた」

愛媛新聞