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日刊工業新聞-2000年2月11日

企業会計基準 設定主体の見直しを(「会計鎖国」を続けていいのか)

日本の企業会計基準はだれが決めるべきか - こんな問題提起を自民党金融問題調査会が出した。日本の会計制度の不透明さが明らかになり、国際的に信用が失墜、信用回復には設定主体を民間に委譲することを含めて抜本改革が必要という指摘だ。これから関連省庁、経済界を巻き込んで本格的な議論が始まるが、同調査会の「企業会計に関する小委員会」委員長である塩崎恭久参議院議員に、今後の議論の方向などを聞いた。

-政治がなぜ今、会計問題を扱うのですか。
 「日本の会計制度の信頼を取り戻すことが緊急課題だからだ。会計基準は世界で一本化する方向に動いているが、日本はこのままでは世界の流れに取り残される危険がある。金融機関の破たんで日本の会計制度の不透明さが明らかになり、信用を失った。この信用失墜が日本企業の資金調達コストにも影響する。突き詰めて考えると、そのコストは国民全体が払うことになり、こうした状況は放置できない。政治も含めて会計制度にかかわる者は大反省し、信頼回復に努めるべきだ。所管官庁の大蔵省や公認会計士協会、経済界もようやく危機感を感じてきている」

-「会計ビッグバン」だけでは信頼回復にならないのですか。
 「確かにこのところ国際会計基準(IAS)へのキャッチアップを進めたが、会計基準は絶えず世の中にマッチして見直すものだ。しかし、日本の会計基準の設定主体、企業会計審議会(蔵相の諮問機関)はそういう体制にない。常設でなくサポート役の常勤スタッフもほとんどいない。結局、民間の公認会計士協会が実務指針をつくりサポートするが、この指針の法的位置づけもあいまいだ」
 「米国の証券取引委員会(SEC)の人などの話しを聞くと、会計の哲学を根本的に変え、本当の意味で情報公開をベースにした資本市場や会計制度にならないと世界に通用しないと実感した。今後、設定主体の問題のほか、そのルール執行の強化や公認会計士法の改正なども議論したい」

-国際会計基準委員会(IASC)の理事会メンバーから日本が外れる可能性もあると聞きます。
 「IASCは組織改革に伴い、IAS設定のトラスティー(受託者)を3月にも選出する。それに向けて先進各国は設定主体の民間委譲を事前に進めており、5月には受託者によりIASの最終決定権を持つ理事会メンバーが選出される。しかし、日本は受託者の指名メンバーにもなれなかった。世界の会計・資本市場マフィアとの人的つながりもないのが現状だ。IASが米国基準を中心にまとまることが問題であるとする声もある。確かにそれも問題だが、G7にある国がIASCの理事会に入れないのはただ事ではない。このまま『会計鎖国』を続けていていいだろうか」

-今後の議論のスケジュールを教えて下さい。
 「まず、ドイツの民間委譲の例などを参考に、今後の設定主体の骨格をまとめたい。できれば3月末までにまとめ、IASCの理事会入りを目指したい。政治と大蔵省の権限争いのようなものに議論をわい小化せず、公認会計士協会や経済界にも積極的に議論に加わってもらいたい」