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中央公論-2009年1月号掲載記事

麻生・小沢で難局を乗り越えられるか

塩崎恭久  衆議院議員・元内閣官房長官
枝野幸男  衆議院議員
田原総一朗 ジャーナリスト



(麻生内閣はなぜ「ぶれる」)

田原)今、政治がどうなっているのか、国民にはまるで分からない状態です。
政府は総額2兆円の定額給付金を予定していますが、所得制限などをめぐる大臣の発言もバラバラ。ある大臣に、「なぜ閣内で意見を一致させないんですか」と聞いたら、「麻生さんが出任せで言うから、みんなも言いたいことを言わなきゃ損だと思っている」と。塩崎さんは、どう見ます?

塩崎)政治で大事なのは「ぶれない」ことです。私が官房長官を務めた安倍(晋三)内閣では、大きなぶれはなかったと思います。普天間基地の移設に関して少々議論が交錯したくらいで、公務員制度改革や道路特定財源の見直しなどでも、すったもんだはありましたが、方向性は一貫していた。官邸主導で、議論を引っ張るしかないでしょう。

田原)僕は、細田(博之)幹事長にとても同情しているんですよ。彼が解散時期を話すと、選挙は先延ばしになる。それではと景気対策の重要性を訴えると、第二次補正予算案は年明けの通常国会に回される。

塩崎)10月30日に追加の景気対策を打ち出したことで、いわば大砲に玉は込められたわけです。大変な金融危機の最中ですから、すぐに第一弾を放つべきでしょう。そのために解散総選挙も延期したのですから。空砲ばかり撃ったって仕方がない。

田原)枝野さんはどう見ていますか。今国会では、民主党がずいぶん我慢して自民党に付き合ったなと思ったんだけど。

枝野)政治が混乱するときは、往々にして国会の流れを理解していない人がリーダーに就いています。麻生さんも国対や議運(議員運営委員会)の仕事をしたことがないですよね。その点自民党の皆さんに同情します。
 今回も、補正予算案を提出するならば、財務省は作業に何日かかるといった日程を全部把握して進めるのが当然です。しかし、それが全然できていない。麻生内閣がうまくいかない理由のひとつでしょう。

塩崎)こういう面では周りのサポートも大事だと思います。



(まずは景気ではなかったのか)

田原)塩崎さんは、今国会で第二次補正予算案を提出すべきだと考えて、11月21日に有志24人で麻生さん宛に要望書出しました。法案を提出すべきだと書っていたのは、民主党の小沢さんだけではなかった。

塩崎)小沢さんが言い出す前から、我々はその議論をしていましたよ。政務官クラスの議員たちから、「辞表を胸に官邸へ行こう」という声もありました。

田原)日本は大不況時代に突入しようとしています。日経平均株価は一年間で半分になった。日本経済を立て直す覚悟が麻生さんにありますか。

塩崎)「まずは、景気だ」という方針自体は間違っていないと思います。しかし、ねじれ国会の運営に苦しんで、うまくいっていない。自民党も民主党も一年以上にわたって、答えの出せない政治を国民に見せ続けてきたと思います。

田原)民主党は自民党に反対はするけれど、対案は出さない。そして、気に入らないことがあると休んじゃう。

塩崎)自民と民主で古いスタイルの政治をやっている印象を持たれかねない。自民党にもそれを乗り越えるパワーがない。この状態を打破して、国民にどうアピールできるか、政治の「迫力」が問われています。

田原)その努力を麻生さんはしていないと思う。

塩崎)その点で、選挙を先延ばしすることが自民党にとってよかったかどうか、分かりません。しかし100年に一度の事態が起きかねない現状で、経済対策を優先したのは正しい判断だったのでしょう。ただ、だからこそ補正予算を成立させ、一気呵成に追加の経済対策を実施するのが筋だと思っています。

枝野)私もそう思っていました。

塩崎)この状況では、民主党といえども賛成せざるをえないはずです。中身の一部に反対したとしても、法案の成立自体をブロックすることはできないでしょう。そこはもう迫力がモノを言う世界、腹を括ってやるべきです。

田原)民主党も補正予算案に賛成して解散総選挙に持ち込むつもりで、ハイスピードの国会運営に反対してこなかった。しかし、麻生さんは経済対策が大事だと言いながら、第二次補正予算案は年明けの通常国会に回すという。だから小沢さんは怒った。

枝野)そうです。臨時国会に提出しないことで、選挙を延期した理屈が通らなくなったのは聞達いない。それに、選挙をやれば、どちらが勝つにせよ、今より求心力のある政権ができ、危機に、より効果的に対応できたはずです。

田原)何で麻生さんは選挙を嫌がっているんだろう。

塩崎)選挙を嫌がっているかどうかはともかく、経済が大事だと言ったからには、それに応じた「区切り」を付ける必要があったからでしょう。

田原)その「区切り」とは、臨時国会で第二次補正予算案を出すことだった。

塩崎)そう。その成立を受けて、解散に踏み切るものだと思っていました。

枝野)10月30日に追加の景気対策を発表して、それから一週間前後で法案を提出したなら、まだ審議のしようがあったと思います。しかし、実際には定額給付金の内容がようやく固まったかどうか。これでは技術的に間に合うわけがない。
 与党内で相当しっかり仕込んだうえで発表したのだろうと思っていましたが、そうでもなかった。どこか歯車が狂っているのかなと。

塩崎)まあ、本当はしっかり仕込んでやるべきだったんでしょう。

田原)このまま臨時国会に提出せず、年明けの通常国会で、ということになったら塩崎さんはどう行動する?

塩崎)あまり考えてもいませんが、内閣の支持率が下がれば、党内でもなかなか難しい状況が生じるような気がします。正念場ですね。

田原)就任時に50%弱の支持率があった麻生内閣の支持率は、すでに30%台まで落ち込んでいる。自民党が二度の選挙調査をやったところ、二度目は一度目以上に悪かったと聞いています。麻生さんは、負ける戦争はしたくないから、選挙を延ばしているということですか。

塩崎)そこは状況をどう見るかの問題で、時間が経てば好転するかというと、必ずしもそうとは限らないですよね。

枝野)こちらにも自民党が行った調査の結果らしきものが出回っていますが、それを見て腰が引けたのかなと。

田原)その情報によると、二度目のほうがより悪い?

枝野)悪いです。ただ、時間が経てば経つほど自民党が不利になるというのは分かっていた話です。首相就任時の勢いで押し切られるのが一番嫌だった。小沢さんの思いは分かりませんが、私は、選挙が延びたことは民主党にとってよかったと思っています。



(金融サミットの評価)

田原)さて、日本で第二次補正予算案の行方が注目されるのも、アメリカ発の金融危機が世界中を覆っているからです。11月15日には、20ヵ国・地域の首脳が集まり、ワシントンで金融サミットが開かれました。10年前の「金融国会」で活躍したお二人にぜひ聞きたい。この金融サミットの結果をどう児ますか。

枝野)もともと期待値が高くなかったので、こんなものだろうなと。今はすぐに成果を出せるような経済状況ではありません。これから5年、10年といったスパンで考えたとき、先進国と新興国との協調体制の出発点になったと考えれば、それなりの意味はある。

田原)金融規制の必要性が明記される一方で、アメリカが主張するように、保護主義の台頭を警戒し、今後一年間は投資や貿易に関する新たな障壁や輸出制限を設けないことを謳った。だから、ブッシュのメンツも立った。

枝野)新興国のメンツも、EUのメンツも立てた。それぞれのメンツを立てながら、国際協調の必要性を確認したということでしょう。

塩崎)僕はもう少し積極的に評価したいですね。こういう経済危機の際には、保護主義によりブロック化が進むなど、必ず内向きになります。今回はそれを避けるために金融サミットという舞台を設定し、自由貿易の維持を確認し合った。
 かつての国際金融政策は、基本的にG7の枠組みで、集まったことすら外に漏らさないやり方で進めていました。しかし今や世界経済がひと繋がりになり、新興国を無視して有効な議論はできない。20ヵ国地域に対して自由貿易の枠組みから脱線しないよう、楔を打ち込んだことには意義があると思います。

田原)僕が金融サミットで一番不満なのは、「あらゆる手段を尽くす」と言うけど、具体的な中身が全く論議されていないこと。

塩崎)確かに中身はほとんど決まっていませんが、大原則を共有した意味はあると思うんですよ。それに実際の政策は原則として個々の国で決めることですし、より突っ込んだ議論はやはりG7で行いますから。G20は、広い意味で世界経済のマネジメントをどうするか議論するもので、経済というよりも外交の範疇に属するものです。



(社会民主主義の時代へ?)

田原)しかし、肝心のアメリカのオバマ次期大統領は金融サミットの結果を尊重しますか。ブッシュ大統領は、金融サミットを前に何度も自由主義経済の堅持を訴えた。でもオバマは自由主義経済からはみ出る政策をとると思う。つまり、「ニューディール」ですよ。
 1929年に大恐慌が起きた。事態を悪化させたフーバーを継いだフランクリン・ルーズベルト大統領は、自由主義経済の信奉者だった前任者と違い、市場にどんどん介入した。大規模公共事業をやる。企業に失業者を正社員として雇わせる。しかも労働時間は短縮する。ほとんど社会主義的な政策、それが「ニューディール」です。

塩崎)いや、オバマ政権が自由主義経済から外れることは絶対ないと思います。すでに橋や道路に投資すると述べているように短期的には「ニューディール」のような経済政策を実施するでしょう。しかし、それは必ずしも社会民主主義に舵を切るといったことではなく、「平時モード」から「非常時モード」に頭を切り替えるという意味ですよ。 僕だって、平時に批判している政策を、非常時においてはやるかもしれない。いざ火事になっているとき、悠長なことを言ってはいられない。

枝野)ただ、少なくともレーガン以降の新自由主義から転換するのは間違いないと思います。競争のない社会は発展しないけれども、コントロールなき競争は今回のサブプライムローンのようなものを生んでしまうことが、はっきりしたわけですか    ら。

塩崎)まさに規制の失敗ですね。規律の中で競争することが重要です。自由と規律はセットでなければ。

田原)それはもう、社会民主主義ではないですか。

塩崎)そんなことはないですよ。市場に一定のルールを設けてそれを犯した者を罰するのは、資本主義経済の基本でしよう。

枝野)僕はヨーロッパ流の社会民主主義に向かうと思いますね。

塩崎)新自由主義に特徴的な政策は、「所得税のフラット化」「民営化」「規制緩和」などで、確かにオバマはいくらか所得税の累進化を図るかもしれない。しかし、かつて同じ民主党のクリントン大統領が「大きな政府の時代は終わった」と言ったこともあるわけで、一概に社会民主主義の方向に進むとは言えないと思いますね。

田原)オバマは大きな政府にすると思う。

塩崎)もちろん当面はそうしないとやっていけないでしよう。

枝野)世界中がそうならざるをえない。民間需要が落ちるわけですから。



(アメリカ経済の行方)

田原)今回の危機は、数学の天才たちが編み出した金融工学の技術があまりに進歩した結果、人間が追いつけなくなったということじゃないかと思うんだけど、枝野さんはどう見ますか。

枝野)危機の規模がここまで大きくなったのはそのせいでしょう。ただ、僕はアメリカから今回の危機が生じたのは一種の必然だと思っています。実体経済で成長してきたアメリカの資本主義は、ある時期から競争に勝てなくなり、それでは金融で儲けようと、国全体を巨大銀行化しました。しかし、金融は実体経済がうまく回って初めて成功するもの。金融ばかりが肥大化し、実体経済とのギャップが広がり、破綻をもたらしたのだと思います。

塩崎)同感ですが、金融は一面にすぎないとも思います。アメリカは個人消費と住宅投資で今やGDPの約75%を占めています。日本が65%程度なのに比べて非常に高い。単純化すると、近年の世界経済は、生産基地としての中国、そこに材料を出す日本、そして最終消費地としてのアメリカという構造でした。日本や中国からアメリカにカネが回り、アメリカの家計部門が金融機関から借金をしながら消費していた。ところが要の金融がぱたっと止まったものだから、個人消費も住宅投資も落ち込む。今度は逆に、アメリカの危機が中国、そして日本に流れ込みます。

田原)では、アメリカには何が残っていますか。ものづくりもダメ、金融もダメ、個人消費もダメとなると。

枝野)アメリカが復活するには、最先端分野に活路を見出すしかないと思います。世界でアメリカしか持っていないような技術で勝負する。そうしないかぎり、アメリカが貿易黒字を生み、再び消費拡大するような構造にはならない。

塩崎)戦前の大恐慌の際、日本は高橋是清が1931年から36年にかけて二度目の大蔵大臣を務めて、建て直しに成功しました。日本でもアメリカでも、単純な失業対策事業はあまりうまく機能せず、民間の経済構造を変えるための財政支出の効果が大きかったんです。高橋是清は、当時まだ弱かった重化学工業や自動車、航空機、船舶といった産業に税金を使った。産業構造の転換期とも一致し、成功しました。オバマも財政出動する一方で、環境や研究開発の予算を増額すると言っていますね。



(民主党の政策の現実性を問う)

田原)次は日本のことを聞きたい。戦後の長きにわたって日本はアメリカの子分だった。そして冷戦の中で高度成長を成し遂げた。しかし、親分のアメリカがイラク戦争と今回の経済破綻でこけてしまった。さあ塩崎さん、自民党はこの国をこれからどうしょうとしているんですか。

塩崎)民主党の側の問題は、マニフェストを見ても「今」をどうするか、それしかないことです。一方の自民党は、「今」をどうすべきかという点で意見がバラバラになっている。だから「自民党はどうするのか」と聞かれても、総裁でもないので答えられないのです。

田原)将来は総裁を目指す人でしょう?個人の意見でいいですから。

塩崎)ちょっと違う角度から話しますと、今回のアメリカ大統領選でオバマとマケインは三度の討論会を行った。ともに選び抜かれたスタッフが練り上げた、実現可能な政策を戦わせました。アメリカ国民は皆これを必死に見て、どちらが自分の暮らしにプラスか本気で考えたはずですよ。
 こういうことを日本もやらなければいけない。しかし片や民主党は、継続的な財源の手当がない実現不可能なことばかりを言っているし、自民党は実現可能だけれども、どこに向かおうとしているのか分かりづらい政策を出している。党首討論を本気でやって、国民にしっかり判断してもらうような政治にすべきだと思います。

田原)枝野さん、民主党の政策は実現不可能なことばかりだと言われた。

枝野)本当に実現不可能かと言えば、そうではありません。あらゆるムダに切り込めば、あれくらいの財源は実際に出るんですよ。そこに本当に切り込めるのかどうかが問われているわけで。逆に言えば、マニフェストで具体的にどこに切り込むかガチガチに縛ったうえで政権を取ったら、それをそのまま実施せざるをえなくなる。現実的ではありません。少し曖昧なところを残すのは仕方ないでしょう。

塩崎)財政に切り込むことばかり考えていてはダメなんですよ。今あるものを分配するだけではなく、これから何をつくっていくかが国づくりにおいては大切です。

田原)僕は今の民主党の政策はバラマキだと思う。たとえば農業にしても、今の農業従事者の平均年齢は65歳で、跡継ぎもいない。そこにカネをばらまいて農業が強くなるわけがない。

枝野)民主党の「戸別所得補償制度」を農業政策と考えたら、ありえないものですよ。あれは、実は社会保障制度なのです。つまり戦後60年にわたって日本の農業を支えてきた人たちは、子どもや孫が継ぐことを前提に現役時代を過ごしてきた。しかし、子どもたちは都会に出て後継者はなく、国民年金ですから、年金も乏しい。
 しかし、彼らは耕作を続けることで農地を守ってくれている。一度耕作放棄地になると、復活させるには大変なコストがかかります。それだけ重要な社会的役割を果たしている人たちに一定の社会保障を行うというのは、ありうる考えだと思います。

塩崎)今の農業に社会保障的政策が必要という考えも分かりますが、農業の担い手の幅を広げないかぎり、いつまでたっても後継者は見つからないでしょう。僕の地元では、舗装工事の会社が兼業農家から土地の提供を受け、稲作をしています。自社で肥料もつくって、60キロ2万円くらいの値段で道後温泉のホテルなどに納めている。

枝野)その方向性には賛成ですが、現実には兼業農家の高齢者の大半が農地を手放さない。戦後すぐの農地改革でようやく得た土地を、時代が変わったから手放せと言っても受け入れられないのは当然でしまう。実際に後継省がいなくなって初めて集約化ができる。これはもう60年前にやったことのツケなので仕方がない。時機を見て、60年前にやった農地改革の逆をやるしかありませんよ。

塩崎)しかし、手をこまねいているだけでなく、転換させるよう努力する必要もあるでしょう。

枝野)もちろん、そうです。戸別所得補償制度に頼るよりも、集約化して農業を行ったほうが儲かる構造が生まれなければ、日本の農業は成り立たない。消費者の安全志向を踏まえると、日本の農業に可能性はあります。そこに至るまでの過渡的な社会政策として、戸別所得補償制度は考えられる制度だと思います。

塩崎)日本でも今のような議論を党首討論でやるべきですね。これを毎週やって、どちらが本当に農業を強くするか、国民に判断してもらわないと。



(「代表選に手を挙げるべきでした」)

田原)やはり今の自民党・民主党の党首が代わらなきゃダメなんだ。枝野さん、この前の代表選にどうして手を挙げなかったの?

枝野)こんなに解散総選挙が遅くなるんだったら、と反省しています。

田原)やっぱり手を挙げるべきだった。
枝野)挙げるべきでした。出馬を検討していたのは、福田さんが辞任する直前でしたが、続投しても10月ごろには選挙があると思っていました。選挙直前に党内に波風を立てるのはよくないと思い断念したのですが、選挙が遅いなら、党内の活力を示すプラスの意味のほうが大きかったでしょうね。

田原)党首討論をやるのが嫌だなんて、党首じゃないですよ。

塩崎)もう政治は変わったんですから。国民が一番よく分かっているはずです。

枝野)今のところ自民党にエラーが多すぎるのであまり目立っていませんが、自民党が態勢をしっかり整えた瞬間に、批判が民主党に跳ね返ってくると思いますね。自民党はそれを期待して、選挙を先送りしているのでしょう。

田原)ところが、自民党も選挙を先送りしながら、ロクなことをやっていない。追加の経済対策はなかなか実施しないし、バラマキ政策を始めている。今度農家に補助金を出すでしょう。国民からすると、だんだん麻生さんが小沢さんの路線にすり寄っているなと見える。

塩崎)これは米粉用の米と飼料米に補助金を出し、自給率を上げるためのもので、必ず効果が上がるものです。
 ただ、民主党の政策に釣られて、確かに自民党の政策も競争上、バラマキの色を帯びてきています。こういう政治をやっていたら日本は滅んでしまいますよ。

枝野)自民党も気づいてはいるので、敵に塩を送ることにはならないから言いますが、なぜ、わが党の政策の弱点を攻めないのか不思議です。たとえば戸別所得補償制度を導入する一方で、農業土木はほとんど全廃します。しかし、その点を自民党は追及してこない。また、子育て手当を創設する一方で、現在の扶養控除を廃止します。

塩崎)手当ては中学生までですから、高校生や大学生の子どもがいる家庭は増税になりますね。

枝野)その分、高校の授業料を無料にするという政策も準備しているわけですが、ともかく攻撃できそうなポイントがあるのに、自民党が突いてこない。

塩崎)僕は言っていますよ。党でつくった民主党批判のパンフレットにも全部書いてある。ただ、よく分かっている人が少ないから、活かせていないかもしれませんが。

田原)自民党が不勉強だから、民主党が助かっているんだ。

枝野)そうです。



(党首討論は毎週やるべき)

塩崎)そういうことをきちんと指摘するためにも党首討論は必要ですよ。

枝野)しかし、今のような形式ではダメですね。毎週1時間ずつやらないと。三ヵ月に一度やっても意味がない。先週議論したことの続きを翌週もやらないと。

塩崎)そう。毎週やるべきですよ。だいたい、この前の通常国会では一回しかやっていない。

田原)11月17日に麻生さんと小沢さんは党首会談を行いましたが、小沢さんはなかなか党首討論に応じなかった。何で小沢さんは党首討論を避けていたのですか。

枝野)人前に出るのが嫌いだからと言われていますが、避けていると思われるのは損ですよね。

田原)人前に出るのが嫌なら、権力者を目指すのをやめたほうがいいんじゃないですか。

枝野)小沢さんが政治家として歩んできたプロセスの途中までは、「裏の権力者」というあり方が可能な政治構造だったからじゃないですか。僕らは知らない時代ですけど。

田原)今度の選挙で民主党が勝ったら、小沢さんが総理大臣になるでしょう?

枝野)ならなかったら、ものすごい批判を受けるでしょうね、小沢さんも民主党も。政権がもたないと思います。できた途端に危機に陥る。

田原)一日6時間も国会にいられますかね?いずれにせよ、党首討論が嫌なら党首を辞めろと。

塩崎)そんな政治家は党首の資格なし。

田原)これは一致でいいですね。
それよりも、二人が今日みたいに毎週党首討論をやるべきですよ。日本も早く団塊世代より若い世代のリーダーが国を引っ張るよう期待しています。