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政策提言

2005/07/29

証券取引所の役割等について

平成17年7月29日
自由民主党 政務調査会
金融調査会 企業会計に関する小委員会
法務部会 商法に関する小委員会

 本合同小委員会では、これまで三回にわたり、東京証券取引所、大阪証券取引所の代表者を招き、投資家保護の観点から、証券取引所自体の企業統治体制のあり方、上場の是非、公開会社のガバナンス向上のための役割や、その実現等に向けての自主規制業務の位置づけ、などにつき議論を重ねてきた。
 その結果、以下の諸点に関し、本合同小委員会での概ねの合意が見られた。国境を越えた市場間競争が進む中、東証においては上場問題への結論づけに当たり、それら合意点等を最大限尊重して判断するよう期待すると共に、既に上場している大証についても、その意図を汲み取り、可及的速やかに体制整備等を行う事を期待する。同時に、監督当局である金融庁が本件に関し、適切な対応を取る事を要請する。また、両取引所並びに金融庁には、その取組み状況について、適宜本合同小委員会に対して報告を行うよう要請する。
 本合同小委員会としては、この問題について今後の具体的な動向を注視しつつ、必要に応じ、立法措置を含めて引き続き検討を進めることとする。

  • 取引所の自主規制業務については、大きく分けて(1)上場審査・管理、(2)売買監視、(3)会員証券会社の監督、の三点があり、各々の機能が、それらの特性に応じて万全に発揮できる事が重要。

  • 元来、市場運営業務により収益拡大を図る事と、自主規制業務を的確に遂行する事との間には利益相反のおそれがあり、株式会社化、とりわけ上場する事により、その蓋然性が一層高まる事に十分留意すべき。

  • このため、まずは上場を予定している東証自身が十分慎重に検討を重ね、国民がかかる懸念を払拭でき、納得するに足る企業統治と公的責務遂行体制を構築し、同時に新たな市場運営方針を明確化することが何よりも重要。
     また、既に自らの取引所に上場している大証に関しても、同様の観点から改めて見直しを行い、可及的速やかに国民の理解と納得を得られる方途を実行すべき。

  • さらに、市場監督当局である金融庁は、東証の上場の是非、その条件等、並びに大証の上場継続の是非等に関し、上記基本的視点の充足状況を確認の上、慎重に判断すべき。

  • また、投資家保護という社会的に重要な役割を担う取引所は、公開会社のコーポレート・ガバナンスについて、例えば、より独立した取締役などが経営を監視する体制構築を促進するための独自基準作りや、敵対的買収防衛策における株主保護のための開示ルール策定等、会社法など会社全般にかかる一般的法規律に加え、投資家保護につながる上乗せ的ルールを上場企業に課すべき、との見方が多く示された。

  • 市場ルールの実効性を確保するため、証券取引等監視委員会を含む市場行政全体のあり方を見直し、同時に、一層の体制強化を図るとともに、取引所、証券業協会などの自主規制が適切に機能するための体制のあり方、並びにそれらの有機的連携強化につき引き続き検討し、整備を図るべき。

  • なお、貯蓄から投資へ、との流れを受けて少額投資家が増加しつつある状況下、ごく一般の投資家では予想しにくい事情で投資先企業が上場廃止になり、損害を被るケースが起こりつつある事から、少額投資に対し適切な保護の可能性を考えるべきではないか、との意見も出された。

以上