トップ > 活動実績 > 政策提言 > 2011年11月以前のバックナンバー > 詳細

政策提言 Policy 塩崎やすひさの政策をご紹介します

  • 政策提言
  • 議員立法等
  • その他

政策提言

2004/08/25

今後のNGO・政府間のよりよいパートナーシップ構築を目指して
(分野別NGOネットワークからの要望)

平成16年8月25日
自民党国際的NGOに関する小委員会

私が委員長を務める自民党外交調査会「国際的NGOに関する小委員会」では、日本の国際貢献におけるNGOと政府間とのよりよいパートナーシップを目指し、保健・医療、教育、農業の各分野にて活動するNGOを招いての議論を先の通常国会中に実施。次のような政策提言をまとめました。

1.自民党国際的NGOに関する小委員会(以下、小委員会)は、今後のNGOと政府とのよりよいパートナーシップ構築のための具体的方途を検討する一環として、保健・医療、教育、及び農業の各分野において国際協力活動を行っている日本のNGOとの間でそれぞれ意見交換会を実施した。各会議の開催日は以下のとおりである。

5月13日:保健・医療分野のNGOとの意見交換
5月21日:教育分野のNGOとの意見交換
6月 1日:農業分野のNGOとの意見交換

 上記の各分野別NGOは、会議後、同会議での議論を踏まえ、政府のNGO支援策 等に関する要望書を小委員会に提出した。

2.本小委員会は、6月11日、上記3分野のNGO関係者に加え、政府側より、古田経済協力局長を始めとする外務省関係者、並びに財務省、JICA、JBIC関係者を招き、NGO側から提出された要望書に対する政府側の考え方を聴取した後、今後のNGO支援制度のあり方につき出席者の間で忌憚のない意見交換を行った。同意見交換の際に、NGO側からはNGO支援制度の内容に関し、更に新たな改善要望が出された。

3.これらの諸要望については、平成17年度の外務省予算概算要求の作成の際に参考とされたほか、今後予定される平成17年度NPO税制改正要求にも反映させていきたいと考えている。本委員会としては、今後ともNGO関係者の意見等を十分に聴取しつつ、NGO・政府間の望ましい支援・連携のあり方につき引き続き鋭意検討していく考えである。

4.なお、NGOからは、NGO支援制度、ODA政策等について多くの要望・意見が小委員会に提出されたが、その中で特にNGO支援制度(日本NGO支援無償資金協力)に係る要望は次のとおりであった。今後、フォローアップに努めていきたい。

(1)人材育成を含む社会開発には時間がかかるため、3〜5年に亘るプロジェクト・サイクルを基本とした複数年度の支援を可能にしてほしい。その際には具体的に以下の点を検討してほしい。

  • 契約は単年度でよいが、複数年度の支援のコミットメントを行う。
  • 1年目の成果が出ている場合には、2年度以降も積極的に採択するようにする。
  • 「同一地域、同一内容のプロジェクト支援は不可能」という方式を改める。

(2)NGOスタッフに対する支援が少なく、資金不足のため人材確保が困難という悪循環が断ち切れないので、直接的な事業費のみではなく、事務管理費、人件費への支援を増やしてほしい。また、本部関連経費(本部管理費)に対する支援は、現行の業務日報(タイムシート)に代え、定率支援としてほしい。

(3)ODAによる事業を実施する場合にも、NGO、JICA専門家、コンサルタントに対する人件費の間には大きな隔たりがある。「NGO=ボランティア=安い」という考え方を払拭し、NGOの専門性を適切に評価し、コンサルタントに認めているような技術料を加えてほしい。

(4)案件申請後に承認決定が遅れることは、その分を自己資金で補うか、プロジェクト開始を延期することを意味するので、審査の迅速化をお願いしたい。また、この点に関連し、以下を検討して頂きたい。

  • 財務省との実行協議を要しない支援限度額(現在1000万円)を引き上げほしい。
  • 継続案件については、前年度の契約終了時に直ちに次の契約を結んでもらい、その際の契約書に「前年度の事業について問題があれば、本契約は無効」の旨の条項を入れること。
  • 同じく継続案件の場合、前年度契約と次年度契約との間の空白期間の支出を埋めることができるように、次年度の契約において、当該事業の開始まで遡って経費の支援ができるようにする。

(5)現状では支援の対象となっていない事前調査、事業評価のための資金も、事業の一環として支援を認めてほしい。

(6)地域住民に密着した支援をしていくためには、ハード的支援よりもソフト的な支援が重要であり、支援制度もソフト的な支援を推奨するような形にすべき。このために、ハードに重点をおく日本NGO支援無償資金協力と技術移転(ソフト支援)が中心のJICA草の根技術協力を統合する等、現場の必要性に応じた案件ができるような体制の確立が必要である。

(7)ジャパン・プラットフォーム等の行う緊急人道支援に認められている安全対策関連経費(無線機、衛星携帯、警備員スタッフの雇用、傷害保険等)を通常の開発協力プロジェクトにも認めてほしい。

別添:6月11日の本委員会において、外務省経済協力局より配布された「分野別NGOネットワークからの自民党NGO小委への要望・NGOの要望事項に対する回答」

分野別NGOネットワークからの自民党NGO小委への要望
NGOの要望事項に対する回答

I.ODA政策
番号 要望事項 回答 提案元
1 二国間ODAに占める基礎教育援助のシェア増大を  我が国の二国間ODA全体に占める基礎教育援助額のシェアは、DAC(OECDの開発援助委員会)の統計によれば0.7%となっているが、このシェアには草の根・人間の安全保障無償やノン・プロジェクト無償を通じた基礎教育分野の支援実績はカウントされていない。
 2002年6月に我が国が発表した「成長のための基礎教育イニシアティブ(BEGIN)」に基づき集計した2002年度における我が国の基礎教育援助額のシェアは1.98%となっている。
教育
2 基礎教育分野支援の数値目標化  低所得国に対する向こう5年間での教育分野での2500億円の支援に関しては、2002年度における実績は約620億円で、その内基礎教育分野の支援は150億円となっており、全体の24%を占めている。
 我が国の教育協力は、途上国のニーズに合わせた支援が行えるよう様々なモダリティーを揃えており、途上国の持続的発展を支援していく上では、各国のそれぞれの状況に合わせ基礎教育のみならず、中・高等教育、留学生支援、職業訓練も含めた人材育成も重視すべきであると考えている。
 こうした考え方から、基礎教育のみについて数値目標を設けることは必ずしも有意義とは言えないのではないかと考えている。
教育
3 円借款の債権の基礎教育や基礎保健へのスワップと、円借款債権放棄による救済額の使途の公開を ・拡大重債務貧困国イニシアティブ等に基づく円借款の債務免除については、債務国に対して、債務免除を受ける事実を考慮し、教育・保健など貧困削減や社会経済開発を促進するために必要な措置をとるよう促すこととしている。
・具体的には、債務国が貧困削減戦略文書を策定し、それを着実に実施していくことを、国際機関や他のドナーとも協調しながらモニターしていくこととしている。
・貧困削減戦略文書及びその実施報告は、基本的には債務国側の文書であるが、公開されている。
教育
4 BEGINの低所得国への重点化  「成長のための基礎教育イニシアティブ(BEGIN)」の2002年度における実績を見ると、基礎教育分野で総額約210億円(全途上国対象)の支援を行っており、その約4割が対アフリカ援助(約80億円)、約3割が対アジア援助(約60億円)となっており、しかも、支援を行った国のほとんど全てが低所得国となっている。 教育
5 基礎教育セクター支援無償の創設を  特定の分野における無償資金協力の枠(資金額)を確保することについては、これまでも「子どもの福祉無償」、「感染症無償」、「水資源無償」等を設置している。基礎教育分野については、「子どもの福祉無償」に含まれており、開発途上国が行う子どもの福祉を改善するための取り組みへの支援の資金の確保に努めているところである。
 なお、セクターを対象とした支援のための資金援助については、途上国の財政管理能力等一定の条件を満たす場合に限り、ノン・プロジェクト無償資金協力の見返り資金を活用して実施することが可能となっている。
教育
6 ハードからソフトへの転換を  2002年度の基礎教育支援実績における施設建設・整備の割合は約6割を越えており、確かにソフト分野の支援に比してハードの割合が高いと言える。これは、我が国が教育分野のみならず、ODA全般においてハード分野の支援を得意としてきたことも影響しているが、一方で、その国の歴史、文化と不可分な領域である教育政策に、第3国が介入することに抵抗感を抱いていた途上国が多かったことから、我が国はハード分野の支援に特化してきたとも言える。ソフト面の支援として我が国が積極的に推進している「理数科教育支援」についても、理数科という他の教科に比し、知識、教授法において普遍性の高い科目であるが故に、我が国がアジア、アフリカ、中南米と地域を問わず支援を行うことができたと考えている。
 他方、上記のような経緯はあるも、EFA(注1)やMDGs(注2)の目標の達成に向けては、ソフト分野での支援も重要であり、BEGINで打ち出した「教育の質」及び「教育マネージメント」の向上に資する支援を積極的に行っていきたいと考える。そのためには、教育協力の分野で専門性を有する人材の育成が鍵であると考えている。
教育
7 初等教育以外のEFA目標も推進せよ  初等教育以外のEFA(万人のための教育)についても積極的な取り組みを行っていきたいと考える。貧困層、特に農村地域の貧困層に対する識字教育、ライフスキル等への支援を行うにあたっては、言葉(地方方言)の壁、地域毎に多様なライフスキルが存在すること等を考えれば、国際機関、二国間援助機関、現地NGO、ドナー国のNGO等幅広い主体が連携して援助することが重要と考える。
 なお、我が国からユネスコへ拠出している「EFA教育信託基金」では、就学前教育及び学校外教育(識字教育教材の開発、コミュニティーラーニングセンターの設置・運営への支援等)を中心に支援を行っている。
教育
8 FTIへの積極的に参加を  我が国は、FTI(注3)の設立に向けたドナー間の協議段階から、今日に至るまでの作業部会、ドナー会合等における議論に積極的に参加してきた。
 当初、FTIはMDGsの教育分野の目標である2015年までの初等教育の完全普及を途上国が達成するためのドナーによる新たな資金メカニズムと理解されたが、発足から2年が経過した現在は、貧困削減戦略文書に基づく教育セクター支援における援助協調と同義語となっている。
 我が国はFTI対象の途上国に対して、無償資金協力及び技術協力のプロジェクトを通じた支援を行っている。
 例えば、ホンジュラスで昨年より実施している技術協力プロジェクト「算数指導力向上プロジェクト」は、現職教員の算数指導力向上を目標として、3つの県における6学年の国定教科書教師用指導書・児童用算数ドリルの開発を行っているが、この取り組みが同国教育省から高い評価を受けたため、3県を超えて全国的に活用されることになった。これらの印刷経費にかかる経費は、カナダのFTI資金から支出されることが決定しており、我が国のプロジェクト支援と他ドナーの資金援助を使ってうまく援助協調が進んだ例と考えている。
 なお、支援を実施しているドナーの数が少ない途上国を支援するために一部ドナーによって設立された触媒基金(Catalytic Fund)については、右資金が対象としているイエメン、ニカラグア等についても日本はバイの援助を進めているところであり、現時点で同基金への資金拠出は考えていない。
教育
9 FTI対象国に対し、リカレント・コスト支援を  いわゆる経常経費に対する支援については、教育セクターのみならず二国間援助全般において、その実績は極めて少ないのが現状である。
 教育セクターにおいては、教育予算の大部分を教員の給与が占め、その結果、教材や施設整備に十分な国内資金が動員されないという途上国の現状があることも認識している。
 しかし、経常経費に対する支援に慎重である理由は、そもそも我が国が援助を実施するに当たって重視している自助努力支援の原則に反するのみならず、援助効果の測定、透明性の確保が困難であり、これらの結果として援助依存度を高めてしまうことが憂慮されるからである。
教育
10 FTI対象国基準の柔軟な適用  FTI(注3)支援を受けるに当たっては、支援対象の要件である1.貧困削減戦略文書及び2.教育セクターの国家計画が策定済みであることに加え、教育開発・改革に向けた政治的な意志と具体的な改革の道筋を示すことが前提となっており、このような途上国のオーナーシップは貧困削減戦略文書と同様、支援の持続性、援助効果を高めていくためには不可欠な要素である。
 なお、FTIの支援計画では、一連の低所得国の経験的分析から導き出された、教育政策、サービスの普及、財政に関する限定的な指標に基づいて支援計画を策定することが求められている。この指標は、各国が教育の国家目標に向けた進展度を測るために策定する、より広範な成果目標や指標に置き換わるものではないと位置づけており、必ずしもこの指標を満たしていないことをもって対象国から除外される状況にはないと理解している。NGOにおいて基準の適用が問題となっている例につき承知される情報があれば伺いたい。
教育
11 FTIメカニズムの透明性確保を  FTI(注3)のプロセスに対しては、以前より「現場主導に」、貧困削減戦略文書とのリンケージを強化せよ」との批判があり、我が国を始め多くのドナーからこの点を指摘してきた結果、FTIの支援を目的としたパートナーシップは、途上国における貧困削減戦略文書に基づいた教育セクターの援助協調の枠組に統合されてきた経緯がある。このためFTI対象国における途上国政府の参画は十分に確保されていると言える。
 一方、NGOを代表とする市民社会組織の参加形態は依然不透明なところがあるが、日本としてNGOの参加に異論はないので、今後ドナーとも議論していきたい。
教育
12 紛争後国への教育協力は多国間機関を通じて  内戦終結直後のアフガニスタンへの教育協力では、「バック・トゥー・スクール・キャンペーン」を推進するUNICEFに対し資金協力を行い、また、イラクの復興支援では、UNICEF、UNESCO、UN-HABITAT経由の教育支援を行って来ている。要望事項にもある通り、紛争終結後の途上国への支援は、機動力があり、足の速い支援が可能となるという点で、我が国も国連、多国間機関を通じた教育支援を積極的に行っている。
 一方、施設の整備のみならず、紛争によって壊滅的な打撃を受けた教育システムの再構築等紛争終結国における教育支援のニーズは様々であることから、治安状況が許される範囲において、二国間援助を行う意義も高いと考えられる。
教育
13 基礎教育分野でのイニシアチブの進捗状況の公開を  「成長のための基礎教育イニシアティブ」(BEGIN)及び低所得国への5年間での2500億円の教育協力の実績については、毎年公開することは可能と考え、前向きに検討したい。既に2002年度に実施した協力実績については集計済みであり、現在、2003年度の案件実績をとりまとめているところであるので、まずは2002年度の実績の公表に向け作業を進めることとしたい。 教育
14 「国連持続可能な開発のための教育の10年」(DESD)はEFAの枠組みの中で  「国連持続可能な開発のための教育の10年」は、第57回及び第58回国連総会決議に基づき、同「教育の10年」のリード・エージェンシーであるユネスコが、「万人のための教育」や「国連識字の10年」等の既存の教育推進プロセスとの関係を整理して、国際実施計画を策定することが要請されている。したがって、同「教育の10年」は、「万人のための教育」の枠組みはもちろんのこと、「国連識字の10年」等とも連携をとりながら調整されるべきものであり、このような考えの下、ユネスコと協力して同「教育の10年」の促進を国際社会に働きかけたい。なお、このような国際社会への働きかけの一例として、去る6月7日及び8日に外務省主催でアジア協力対話(ACD)「環境教育」推進対話を実施した。 教育
15 日本のDESDの途上国への貢献  「国連持続可能な開発のための教育の10年」(DESD)に関する国際実施計画については、現在UNESCOにおいて策定準備が進められているが、その策定に際し、日本ユネスコ国内委員会から計画に組み入れるべき事柄について、UNESCOに対し提言を行ったところであり、我が国としては、同実施計画に示される分野においてどのような貢献ができるか検討していきたいと考えている。 教育

II.NGO支援策・NGOとの連携
番号 要望事項 回答 提案元
16 NGOの活動能力強化を  NGOのキャパシティー・ビルディングの一環としてNGO研究会については、今後も支援を続けていく予定であり、今後の支援のあり方については、NGO側の意見も踏まえた上で検討していきたい。 教育
17 政策形成・案件発掘にNGOを参加させよ  NGOとの連携の強化は重要な課題と認識している。
 案件の発掘におけるNGOの参画については、保健分野の協力では、プロジェクト形成調査ミッション等にIDI・GII懇談会からNGOの代表が参加していることから、NGOの参加により、より効果的な案件の発掘が可能となる場合には教育NGOの参加を検討したい。なお、参団にあたっては、JICAを含めた関係者間で協議して決めていきたい。
教育
18 (NGO支援無償)
複数年度支援を可能に
 プロジェクト内容によっては、事業の成果や供与資金の適正使用状況等を見つつ、次期案件についても優先的に検討するなどの対応をしていきたい。 教育

農業
19 (NGO支援無償)
現地職員への支援を柔軟に
 平成16年度日本NGO支援無償資金協力の実施要領では、当該プロジェクト実施に直接携わる、申請NGOの常設事務所の現地スタッフの人件費についても2名を限度に支援対象とすることとした。 教育
20 (NGO支援無償)
審査の迅速化を
・公的資金の適正使用を確保するためには、「入口」にあたる審査と「出口」にあたる外部監査ともに厳正に行うことが重要。右については会計検査院等からも同様の指摘あり。
・外務省としては、申請後2〜3ヶ月以内に審査手続きの完了を目指す旨、16年度の日本NGO支援無償実施要領に明記。
・他方、審査を迅速にするためには、申請書の内容に問題がないことや提出書類に不備がないことが不可欠であり、この点でNGO側の一層の努力を期待。
教育
21 (NGO支援制度)
事前調査・評価調査にも支援を
・NGO側の要望を踏まえ、平成13年度よりNGO事業補助金において、事前調査及び評価調査のための支援を実施 (地域住民との調整等についても事業管理費で一部支援)。
・一方、日本NGO支援無償は、具体的なプロジェクト支援を目的としているため、事前調査及び事後評価については支援対象としていない。今後とも右に対して如何なる支援が可能かについて検討していきたい。
農業
22 (NGO支援制度)
管理費、人件費の支援強化を
・日本NGO支援無償では、あくまで日本NGOが自ら海外で行う開発支援プロジェクトのコストに対する支援を目的としており、国連やJICAの委託事業とは性格が異なるもの。
・同スキームでは、事務管理費や人件費といった目に見えない「ソフト費目」についても一定の支援をしており、今年度からは、既存の現地スタッフの人件費・雇用費も一部支援対象化するなど内容を充実。
・現状では、ソフト費目の申請は、積み上げ方式のため算出基礎を要求しているが、実際には、さほど無理のない範囲での積算でも可としており、柔軟に対応。
・今後とも、人件費や管理費部分については、NGOの自主性、自律性とのバランスや、これまでの実施状況を勘案しつつ、適切な支援のあり方を検討していく考え。
農業
23 (NGO支援制度)
財務省からの指摘でNGO支援策の重要な部分が変更された例
(定率の本部管理費支援)
・日本NGO支援無償の立ち上げに際しては、新制度ということもあり、種々の議論があったのは確かであり、当時の民援室長もその一端を紹介したものと理解。
・なお、本部管理費の支援については、NGOの負担とならないような仕組みを検討していく考え。
シェア
24 (NGO支援制度)外務省・財務省間の調整の迅速化・改善 ・現在でも、日本NGO支援無償資金協力の基本的な供与限度額である1,000万円に満たない事業については、財務省との実行協議は省略されている(平成15年度案件における1,000万円以下の案件:41/56件)。
・政府部内における意思決定プロセスの一環である財務省との実行協議についても、通常は迅速(数日以内)に処理されており、現状では特に問題があるとは承知していない。
農業

WVJ
25 (NGO支援制度)
「NGO=ボランティア=安い」の払拭、NGO専門性の適切な評価(人件費支援)
・日本NGO支援無償の本部スタッフ人件費については、団体の給与体系を基本とし、JICA専門家派遣にかかる経費単価を上限(JICA経費は開示可)。
・日本NGO支援無償においては、現地草の根レベルの需要に機動的に対応するとの観点から、いわゆるコンサル等プロ的な技術導入までは想定しておらず、プロジェクトを実施する期間においてNGOが当該職員に払うであろう給与をコストとして支援している。
・もしもNGOがより大型のプロジェクトを、より専門性の高いスタッフにより実施可能であれば、一般無償案件等においても参画の機会は提供されている。
・PROTECO(JICAのプロポーザル型技術協力プロジェクト)は、ビジネスとして利益を得ることを目的としている者を派遣するものではなく、民間から提案頂いた開発途上地域でのプロジェクト案をJICAが支援するという要素を含んでいるため技術費付専門家ほどの諸経費、技術経費は支給していない。(委託事業であるJICAの草の根技協においては定率支援)
WVJ
26 (NGO支援制度)
ODA予算が縦割り、柔軟な運用を(ハード案件とソフト案件向けスキームの統合等)
・政府は、ODAで資金・技術協力の各特性を最大限に生かした援助を実施しており、またそれら協力形態を連携した支援の促進に努めているところ。
・NGO支援においても、NGO支援無償と草の根技術協力の夫々の特長を生かした連携を図るよう努めている他、NGO支援無償においては、プロジェクトの内容に応じソフト面での支援を強化しつつある。
WVJ
27 NPO認定制度の改革案 ・認定NPO法人制度の要件が緩和されることは、資金面に困難を抱える我が国の国際協力NGOを強化し、我が国の顔の見える援助を促進する上で有益と認識。
・外務省としては、今後とも、従来同様、NPO法人を所管する内閣府とともに、本件税制改正のプロセスに積極的に関与していく考え。
農業
28 青年海外協力隊との協力体制等人材育成へのサポートを ・青年海外協力隊が、関連する事業を行うNGOと現場で連携することは、より効率的な業務の実施に繋がる場合があると考える。
・相手国政府からの要請で青年海外協力隊が当該NGOに配属されることもある(平成16年度春募集612名中、配属先がNGOのものは45名)。
・人材育成に関しては、JICAホームページの「PARTNER」(国際協力人材センター)等を活用することで、更なる連携が可能。
農業
29 海外青年の国内受け入れに支援を ・国レベルでの事業であるJICAの研修員受け入れや青年招聘に加え、草の根技術協力事業によって、NGO等が開発途上国の青年を日本に招聘することも可能。 農業
30 安全面、危険面でのサポート(有事の際のNGO保護対策) ・日本NGO支援無償資金協力においては、支援の条件について申請NGOが自己の職員等につき十分な安全対策措置を講じていることを求めており、安全対策の参考として、平素より、危険情報などの渡航情報を様々な媒体を通じて提供しているが、紛争、自然災害、人災(交通事故など)に際しては邦人保護の一環としてNGO関係者を含む在留邦人及び短期滞在者の安否確認、国内の安全な場所への一時避難や国外退去の支援等できる限りの支援を実施している。
・外務省では、昨年より各在外公館次席レベルの館員を「領事・邦人安全対策総括官」に指名し、治安情報の収集・分析、安全対策に関する情報の在留邦人等への伝達などの総括を担当させているほか、外務本省と同総括官の連絡を密にしネットワークの一層の強化に努めている。
・同時に、海外で実施する支援活動については、NGO側としてもあくまで自らのリスクで活動を行うことにつき再確認が必要。
農業
31 外務省担当者の任期の延長 ・一つのポストに長く留まることによる弊害もあり、外務省としては、現在基本的に2〜3年のローテーション体制をとっている。
・人事異動に伴う不都合については、引き継ぎの充実化、副担当者の活用等により改善に留意していく考え。
農業
32 国別ではなく、目的(アジェンダ)別の援助計画、研究会を  分野別の援助計画(イニシアティブ)については、これまでも感染症、教育、環境、水、ジェンダー等の分野で分野別のイニシアティブを策定しており、今後とも分野別援助の戦略性を高めていきたいと考えている。それぞれの援助計画により連携の度合いは異なるものの、関係省庁、有識者、NGO関係者との連携を図りつつ、援助計画の策定、実施に当たっている。
 農業分野については、こうしたイニシアティブをこれまで策定してきていないが、飢餓対策がMDGsの目標となっていることも踏まえ、我が国のMDGs達成に向けた貢献のあり方についての検討等において、農業分野での支援のあり方についても検討していきたい。また、その際、NGOとの連携も深めていきたい。
農業