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政策提言

2002/02/26

経済危機克服のためのアクションプラン

平成14年2月26日
衆議院議員 塩崎恭久

1.金融危機回避と金融構造改革

  • 主要銀行に対して、一段と厳格な査定基準に基づく十分な引当てを義務付ける。具体的には、時限的、予防的な観点から以下の査定基準を適用。
    (a) 税効果計上を1年以下に短縮(実務指針・マニュアル改正)
    (b) 不良債権の劣化実績率等を厳格に適用し、大口貸出先の個別引当て、一般貸倒れ引当てを積み増す(「構造改革特別引当金制度」の創設)

  • 上記に基づき、特別検査結果判明と同時に、資本不足の銀行に対しては「一時国有化」、または普通株式注入による「一部国有化」もしくは「全部国有化」を行い、現在の金融危機対応勘定15兆円全額投入の覚悟で臨む(一部行に対しては民間増資勧告を行う)。

  • 不測の事態に備え、金融危機対応勘定を20兆円に増額。
    ――おおむね株価100円以下の破綻予備軍とされる上場企業の負債総額約40兆円のうち、担保・引当額と主要銀行以外の債権を除けば、少なくとも10数兆円以上はロスの可能性。

  • 主要銀行は、株主責任(減資)と経営責任(経営陣の抜本的な交代)を問い、新たなビジネスモデルを構築。
    ――政府主導による最終的な銀行の整理・再生を行う(「穴のあいたタイヤに空気を入れる」これまでの公的資本注入の過ちを繰り返さない)。
    ――減資に際しては、過去の公的資本注入分は毀損させる。
    ――金融庁・日銀が常駐して、経営改革実行を監視。
    (a) リスクに見合った金利体系の構築とリスクマネー供給
    (b) 金融グループ再々編による生き残り分野の絞り込み
    (c) 国際業務からの大規模な撤退
    (d) 外部取締役などにより経営改革を進めるガバナンス構築

2.RCCを主軸とした企業再生の体制づくり

  • 今後半年以内に、上記厳格な査定に基づく資産評価に基づき、要管理債権+破綻予備軍企業の債権をRCCに移管し、RCCを主軸とした抜本的な企業再生に取り組む。
    ――少なくとも10兆円強の買取り原資を用意して使い切る。
    ――二次損失(時価との差額)は、銀行が普通株式を発行して充当する(実質的な一部国有化を行うための補完的措置、要法改正)。

  • RCCは、事業分野ごとや密接な企業グループごとに「企業再生子会社(ファンド)」を複数設立し、CEOを含む経営陣や株主を公募するなど、人材面・資金面での抜本的強化を図る。
    ――企業再生へのインセンティブ付けを強力に行うため、事業執行権限、経営責任、報酬等を「企業再生子会社」のCEOに委ねる。

3.総理直轄の経済構造改革の司令塔を設置

  • 総理直轄の「経済構造改革推進本部(仮称)」を設置し、民間から司令塔となる責任者を任命する。同本部は特に、以下の点について国家戦略の観点から施策を立案し、具体的な数値目標の実行状況を監視する。
    (a) 国内・海外の投資収益率の向上
    (b) 対内直接投資増加によるサービス部門等の雇用増大
    (c) 特許使用料収支の3年内黒字化を目指す知的財産権の重点強化

  • 「企業再生子会社」のCEOは、経済構造改革推進本部に進捗状況を直接定期報告し、同本部は、総理のリーダーシップのもとで、企業・産業再生におけるインフラ、規制、税制面における環境整備の役割を担う。

4.中小企業対策のあり方


  • 現状、その実効性が失われている経営健全化計画に基づく中小企業への融資目標は廃止し、中小企業への融資実態情報の開示によって、地域金融機関の大規模合併や、ビジネスモデルの改革を通じた融資促進を促す。

  • 具体的には、各地域における融資や回収の実態情報の開示を金融機関に義務付ける法律を制定。