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政策提言

2013/08/27 

がん登録法案

 今や国民の2人に1人がかかり、3人に1人が亡くなる病気である、がん。しかし、その治療のための情報整備と言えば、例えばがんを患って手術などをした後、5年後に生存している率を示す「5年生存率」についても、その最新のデータは、1999〜2002年の、それもたった6府県の登録情報から推計によって作られた数字に過ぎない。このわが国の実態は、政治、法律の不作為のしわ寄せでもあり、我々立法府の責任でもある。

 2012年5月に開催された、がん医療関係者やがん患者の声に正面から向き合う超党派議員連盟「国会がん患者と家族の会」でも、この法律の必要性について検討されたが、具体的な前進には様々な課題があるとのことで、私は議連会長の尾辻秀久参議院議員を直接訪ね、「政治の不作為の罪を克服するためにも、議員立法を急ぎましょう」と申し上げ、この問題の事務方を担うことになった。

 「がん登録」を健康増進法における地方自治体の努力義務に止め置くのではなく、他の先進国並みに、国の責任において全数登録を義務化し、悉皆的なデータに基づいた分析、予防措置を含むがん対策、そして治療法の開発などができるよう、法制化をしなければならない。こうした問題意識から、自民党、公明党、民主党の超党派による法制化実務作業チームの事務局となり、法制化の議論を進めて来た。議論では、データの悉皆性と共に、「がん対策、がん治療への貢献」「がん患者のニーズに応える」と言った法制化の原点を忘れてはならないと、様々な関係者のご意見を頂戴した。

 作業チームは2012年11月からすでに10回開催しており、その間、患者団体の方、医療従事者、院内がん登録の担当者、地域がん登録の担当者、国立がん研究センター、関係省庁の方に出席いただき、様々なご意見をいただきました。また、5月に第一弾のパブリックコメントを実施し、いただいたご意見を踏まえた検討を経て、法文素案が完成した。

 法案は、▽登録の義務化▽生存確認情報の収集・提供▽個人情報の保護▽情報の利用を通じた、がん医療の質の向上―の4本柱からなり、「登録の義務化」の観点からは、病院に登録を義務付ける規定や、登録率・データ精度の向上に努めることを盛り込み、「個人情報の保護」の観点からは、秘密漏示の罰則と個人情報を保護するための体制整備を求めていくことになる。

 現在、2013年9月30日までを期限とし、法案のパブリックコメントを実施中です。下記法文案をお目通しの上、皆さまのご意見をメール等でお寄せください。