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政策提言

2004/09/17 

「党改革アクションプラン」の着実な実行に向けて
―「党改革実行タスクフォース」中間報告―
自由民主党 党改革検証・推進委員会

平成16年9月17日
自由民主党
党改革検証・推進委員会

 党改革については、既に党改革検証・推進委員会は本年6月2日、「よりオープンで信頼される自民党を目指して――党改革に関する中間提言――」をとりまとめた(同7日役員会了承済み)。その後、参院選の厳しい結果を踏まえ、「党改革実行タスクフォース」を編成し、中間提言内容の具体的実現に向け、検討を続けてきたが、本日、「党改革アクションプラン」の第一弾として、別紙のような具体的な取り組み方策を中間報告としてとりまとめた。
 今後、まずはこのプランに基づいて党改革を強力かつ着実に実行し、国民の一層の信頼を得るべく努力を傾注する所存であり、党内の関係各位には、その全面的協力を要請するものである。
 今日、わが党のおかれた政治状況を考えるときに、今回の党改革を単なる提言に止めることは許されず、実行あるのみ、である。その意味からも、今後は以下の方針で今回のアクションプランに盛り込まれた具体策はもとより、6月の「中間提言」に示された党改革メニューの完全実施を目指していきたい。

  • 今回のアクションプランに添付された工程表を遵守し、問題を先送りすることなく着実に党改革を推進させる。
  • 党改革の進捗状況を常時把握し、党内関係部局等に対し改革の督励を行う仕組みを設ける。
  • 今回のアクションプランにおいて「引続き検討」とされている事項については、党改革検証・推進委員会と党改革実行タスクフォースが引続きその結論に向け、検討を続ける。
  • 党の実情を常に検証し、国民の目線による不断の改革を行うべく、本委員会を中心に、必要に応じて追加的党改革提言を行っていく。

以上




候補者選考プロセスの改善について

 わが党は、政権を担う責任ある国民政党として、広く門戸を開き、積極的に国政に参画できる機会を提供し、清新で有為な志の高い人材を輩出するシステムについて鋭意検討を重ねてきた。
 候補者選考プロセスの改善については、公募制度の導入、新人にチャレンジの機会の提供、また、公募応募者でも立候補に至らなかった者など、有為な人材の確保と育成等を検討してきた。
 特に公募制度の導入については、早期実現可能なものとして具体的に進めるべく「公募制度管理委員会」を設置して、公正で民主的な候補者選考のシステムを築き上げることとする。

1.公募制度の導入について

  • 空白区及び補欠選挙区における公募
     選挙区支部長が不在の選挙区等、支部長に欠員などが生じた時点で対象区とし、選挙対策小委員会が都道府県連の意向を聴取し、調整を経たうえで、選挙対策本部において公募実施選挙区を決定する。
  • 「公募制度管理委員会」の設置
     党選挙対策本部内に「公募制度管理委員会」を設置し、党本部と都道府県連との共催とする。主な権限は、(1)制度全体のルール作り、維持・管理、(2)各選挙区での選考方式・予備選挙方式の決定等である。メンバーは、党本部、当該都道府県連、民間有識者で構成し、運営する。
     実施内容は、実施時期、公募要項の作成、広報活動、プライバシーの保護等を行う。
     候補者の選考については、下記の「選考委員会」により選考を行い、(1)候補者を1人に絞り込む選考と(2)数名以内に絞り込んで予備選挙を行う過程がある。
  • 「選考委員会」の設置
     「公募制度管理委員会」の下、各都道府県連内に「選考委員会」を設置し、公募要項の選考方法と審査基準をもとに、公募者の具体的選考を行っていく。
     選考方法は、(1)選挙区ごとに公募を行い、書類選考・面接を経て候補者を決定していく。(2)選挙区ごとに公募を行い、書類選考・面接を経て数名以内に絞り込んだのち、予備選挙において候補者を決定する。
     審査については、21世紀の政治を考え、果敢な行動力と将来に大きな期待が持てる人などを基準とし、選考過程をオープンにして公正に人選を行っていく。

2.今後の検討課題について

  • 世論調査を効果的に実施するなど、必ずしも現職優先の原則に拘わらず、新人にチャレンジの機会を与える方途について、さらに具体的検討を続ける。
  • 応募者のうち立候補に至らなかった者等に対しては、将来の公認候補予定者としてその育成に努め、さらに制度(「プール制」)の構築を図っていく。
  • 「候補者育成委員会」の設置
  • 党選挙対策本部内に常設機関として「候補者育成委員会」を設置し、公募候補並びに「特別選挙区支部長」に任命された者(いわゆる「プール制」)などを対象に、担当現職国会議員や担当事務局員を配置するなどにより、選挙地盤強化活動のサポート体制の充実を図る。また、当選回数の少ない現職議員のサポートを行うことも検討する。
  • 公募候補等に対する自民党による財政的支援策についての原
    則を早急に確立することが重要。

■選考プロセスの流れ

選考プロセスの流れ



政治資金の一層の透明化に関する改革案

  • 自民党本部・選挙区支部および比例区支部並びに所属国会議員の資金管理団体の収支報告書要旨を党ホームページで一括して公開する。国民政治協会に対しても同様の扱いを求める。
  • 党本部・選挙区支部、比例区支部、並びに所属国会議員の資金管理団体の収支報告に際しては、今後、銀行等の残高証明書を添えることとする。また所属国会議員の資金管理団体の収支報告書には、現行政治資金規正法が政党等に義務付けているものと同様の監査意見書を自主的に添付することとする。
  • 党および所属国会議員が政治献金を受け取る場合は、銀行振り込みによることとする。
    やむをえず小切手、現金で受け取る場合には、選挙区支部・比例区支部(もしくは資金管理団体)の正規の領収書を献金者に対して直ちに交付し、銀行口座への入金、政治資金規正法が定める会計帳簿への記帳も同時に行う。
    *受領した時刻等の事情により、同日中の銀行口座への入金が不可能な場合は、翌営業日に必ず入金する。
  • 自民党および国民政治協会が政治資金の扱いに関し、システムや運用を含め早急に見直しを進め、一層透明・適正な運営を行う。
    党の役職者の職責執行上必要と認められる場合を除き、党本部より議員個人に対して政策活動費を支給することをやめる(すでにモチ代は廃止済み)。
    党本部より選挙区支部および比例区支部への振り込みは、党活動強化上必要な場合に限定し、組織本部、広報本部等党活動強化を所管する部局より明確な理由を添えた稟議を挙げるなど、厳格な党内手続きを経た上で実施する。


※なお、政策集団等についても上記の趣旨に準じて対処するものとする。



自民党シンクタンク創設について

 自民党シンクタンクの創設に向けて、党所属国会議員、外部有識者それぞれ5名程度からなる「シンクタンク創設準備委員会」を早急に立ち上げる。

 シンクタンク創設準備委員会のメンバーは、自民党シンクタンクの設立に向け、その組織編成、運営、資金、自民党との関係などについて、議論をするとともに、インタビュー、各国事例の研究などを通じて、幅広く意見を集める。

 組織編成・運営については、同じ議院内閣制のイギリス等における政党とシンクタンクの関係を参考に、スタート時に設ける政策テーマ(例えば社会保障、憲法、安全保障、教育、地方分権など)、政策テーマごとのスタッフの配置も含めて検討をしていく。

 運営に必要な資金については、「政策立案特別会計」を創設し、資金の流れを政策目的に限定する。透明性を確保することにより、個人献金の拡充や新しい企業、団体からの政治資金のチャンネルとして活用するとともに、献金を再開した財界からの資金等も含め、幅広い受け皿として機能させる。

 シンクタンクと党との関係については、自民党にとって中央省庁以外の政策立案の選択肢として機能させるべく、「理事長」は民間から招聘することとするが、党のマニフェスト作成など党のブレーンとして密接機能する一方、有為な人材確保の観点からも、運営に関する一定程度の独立性を付与することが肝要。運営資金については、政策立案特別会計を通じたシンクタンクの会計を、既存の党内の会計から分離するなど、十分な財政基盤を設ける。

「シンクタンク創設準備委員会」スケジュール

委員の人選・委嘱 9月中
第1回会合・論点整理 9月中
編成・運営案の検討(週1回)
組織・運営案の決定・理事長予定者の決定 11月中
自民党シンクタンク創設 平成17年6月1日
設立記念シンポジウム 10月党大会




「人事評価委員会(仮称)」の創設について

 従来の人事考査は、政策グループの意向や年功序列が大きく反映されたものであり、適材適所や適応性、専門性に欠けている側面があったことを認めざるを得ない。その結果、若手議員の情熱や党への帰属心が損なわれ、党の活性化が減退する要因の一つになっていることを否定できない。
 よりオープンで信頼される党を目指す上でも、適材適所の人材活用や若手の登用等をさらに推進する必要がある。
 以上の観点から、今後は既存の「人事委員会」を拡充して「人事評価委員会(仮称)」を創設し、各議員による自己申告制度を導入するとともに、今後、業績評価システムの構築を図り、最終的には本人による自己評価、客観的評価を含めた、公平、公正かつ総合的判断による人事を目指す。

1.「人事評価委員会(仮称)」の位置付け

  • 既存の人事委員会を拡充し、「人事評価委員会(仮称)」とする。
  • 構成、委員の選任については、人事評価委員長、副委員長、委員(若干名)とする。委員長、副委員長の選任については、総裁並びに幹事長に一任する。
  • より国民の視点に近い人事評価を取り入れる観点から、民間人(党員・党友他)登用の是非ついては、引き続き検討する。

2.人事自己申告制度の導入

  • 各議員の専門性・適応性を把握し、適材適所の人事を行っていく為に、新たに「自己申告制度」を導入する。その際、議員各自が取り組んだ、また取り組みたい政策課題について、自己申告書を提出する。
  • 併せて、今後担当したい役職についても、申告する事とする。
  • こうした「自己申告」を行う議員の対象範囲、申告頻度、時期等について検討する。
  • 客観的側面から、委員会等の活動実績、党員確保、選挙応援・党活動への参加の頻度、議員立法への取り組み等をデータとして取りまとめる。
  • 能力・業績評価の方法に関しては、引き続き検討する。




「ニューフロンティア協議会(仮称NFC)」の設置について

1.組織本部内にNFCを設置し、IT産業、ニューサービス業、バイオ産業、介護産業など、新しい成長産業との政策対話の窓口とする。そして、

  • これら成長産業との定期的な政策対話及びそれを通じた政策立案を行う。(横断的な政策とともに、個別の政策にも対応)
  • 各地域で、それぞれの地域の新産業の方々を交え「ニューフロンティア・タウンミーティング」を行う。その際、世論に影響力のある著名企業家にも参加を依頼するなど、国民へのアピールも図る。

2.留意点

  • 政策対話の対象とする産業群は、
  • イ.産業規模の拡大、雇用の増大が期待される産業
  • ロ.党組織本部の団体リストに把握されていない産業
  • 特に、既存団体との関係でこれまで接触を控えていた団体(産業群)とも対話を行う。
  • 組織化されていない産業群をまとめていく手法を開発する(例えば、当該産業群の共通の政策課題を抽出する等)
  • 組織化(団体づくり)を希望する産業グループについては、その方策のアドバイスなどの支援を行う。
  • 新たに設置されるコラボレーション局(仮称)との連携も図る。

3.当面の活動方針

  • 産業群のリストアップ(党内の各議連からのリストアップも並行して行う)
  • いくつかの産業グループから対話を開始し、そのウィングを広げていく
  • 具体的には、(社)ニュービジネス協議会、(社)日本パーソナルコンピュータソフトウエア協会、(任意)環境ビジネスウイメンなどから、政策対話をスタートする。
  • 早急に「ニューフロンティア・タウンミーティング」の開催について、予算措置も含め、詰める。




NPO・NGOタウンミーティングの開催について

 新たな市民社会の構築に向け、NPO・NGO関係団体委員会と協力し、各種NPO・NGOとの交流を深め、政策的対話を通じて地域社会、国際社会への貢献を目的としたタウンミーティングを全国各地で開催。
 これまでの実施結果と今後の開催計画について、以下の通り報告する。

これまでの開催地区

3月30日(火) 全NPO・NGO対象(自民党本部)
5月23日(日) 岡山県(岡山国際ホテル)
9月4日(土) 愛媛県(道後山の手ホテル)

今後開催予定地区
9月25日(土) 奈良県(奈良県経済倶楽部)
10月16日(土) 広島県(広島国際会議場)
10月21日(木) 全国際的NGO対象(自民党本部)
10月24日(日) 宮城県(仙台東急エクセルホテル)
11月20日(土) 静岡県(静岡商工会議所)




「無党派層」対策の強化について

 「無党派層」対策の強化チームでは、中間提言を踏まえ、「LDPコラボレーション局(仮称)の設置」並びに「学生との交流」、「若者塾(仮称)の共催」等について議論した結果、下記の通り報告する。

1.「総合戦略局」の再活性化、「コラボレーション部(仮称)」の新設
 多くの「無党派層」から常に支持される政党であることが、今後の党の帰趨を決定するとの共通認識の下に、「無党派層」の意識を常時把握し、党を挙げ交流・対話を広げるため、下記の新しいシステムを稼動させる。

  • 幹事長を中心とする選挙の総合的な対策、全党的な取り組みにつなげるため、選挙対策本部に設置されている「総合戦略局」を改めて稼動させる。
    *党則第54条3項 選挙対策の調査研究及び企画立案を行うため、総合戦略局を置く。
  • 「総合戦略局」に、「コラボレーション部(仮称)」を創設し、各界各層の民間有識者や民間シンクタンク等と連携して「無党派」対策の調査研究及び企画立案を行う。コラボレーション部長には総務局長が指名する者をもって充てる。

2.「若者塾」の共催、学生との交流

  • 「若者塾」の開講
     若者の自民党への政治参加を促すとともに学生との交流を目的として「若者塾」を開講する。自民党は全国学生交流会及び東京都連学生部などを核として、若者塾の活動を展開する。女子大にも積極的に訪問し、女性政策等に関しコミュニケーションを深める。また、実施にあたっては、青年局学生部の機能を強化しこれに当たる。
  • 学生の企画とのタイアップ
     学生との交流を継続的且つ広範囲に図ることを目的として、大学サークルや授業の一環として企画された講演会(10月党本部、11月早稲田大学にて計画中)、ゼミ、或いは、学生が選ぶ模擬内閣による討論会(「バーチャル選挙」)や弁論大会等に参加協力する。その際、学生の要望やテーマに応じて党役員等を講師として派遣する(「キャンパス訪問若者塾」等)。
     また、特定のテーマについて学生のアイデアを募る「政策立案コンテスト」など、政治と大学の学習テーマを結びつけた企画を実施することで、政治参加に意欲的な大学生からのアプローチを引き出す。
  • 学生と国会議員による研修及び視察等の実施
     政務調査会の部会等を見学し、自民党で行われる生の議論に触れることで学生の政治的関心を喚起することを目的として「自民党見学ツアー」を実施する。
     また、学生の長期休暇中に合宿セミナー形式で行う「自民党が作る、政治家育成プロジェクト(仮称)」を実施することは、地方大学の学生の参加も期待でき、人材を発掘する上でも一つの方法である。更に、一定の研修を終えた学生については、国会議員との海外での研修・視察に参加できることとする。
  • 学生の諸活動の受け入れ体制の整備
     学生の政治参加を促すとともに、国会議員を支える事務所の仕事を通じて自民党へのシンパシーを深めることを目的として、「学生インターン制度」を創設する。インターン派遣先は、学生の希望や出身などを踏まえ、党本部が議員事務所と調整のうえ決定する。
     また、学生の自主的な勉強会の開催を支援する目的として、党本部の部屋の貸し出を奨励する。
  • インターネットの活用
     インターネットの活用は、学生に限らず国民全体に対する無党派層対策の有効な手段である。若者塾の告知や募集については、インターネットを軸に展開する。自民党HPと学生団体のHPをリンクで結び、連携して諸活動を行う。