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政策提言

2004/10/26 

公認会計士・監査審査会委員への日本公認会計士協会役員の就任について
自由民主党 政務調査会・企業会計に関する小委員会

平成16年10月26日
自由民主党政務調査会
企業会計に関する小委員会

 公認会計士・監査審査会(以下、審査会という)は、日本公認会計士協会(以下、協会という)が行う「品質管理レビュー」を、独立した公的な立場からモニタリングすることにより、わが国会計・監査の適正な運営を確保する責務を担う政府の機関である。今臨時国会の同意人事において、審査会の委員として、引き続き協会の会長が承認される見込みである。当小委員会では、協会の会長が審査会委員を務めることが、審査会委員としての立場と、協会の役員としての立場の関係から、仮にも、審査会の公正性、中立性及び独立性に疑念を生じさせ、ひいては、わが国会計・監査に対する国際的な信認に影響を与えてはならないとの問題意識から、今月初より検討を重ねてきた。当小委員会で示された意見のポイントは以下の通りである。今後の審査会委員の選任や審査会内の行動規範の作成に当たって、十分尊重されるよう望むものである。


1.
今回、審査会委員に協会の会長が就任するに際しては、審査会の公正性、中立性及び独立性を確保する観点から、委員は自己に関係ある議事については議決に加わることができないものとされているが(公認会計士法第40条第3号)、これについては、審査会において具体的なルールを定め、厳正に運用することについては合意された。
2.
具体的な上記ルールのあり方については、当小委員会では、以下のような意見が出されたところであり、審査会においては、これらの意見を踏まえた上でルールを策定することを期待する。

  • 法第40条第3項の規定は、議決と議事を明確に書き分けている以上、第一義的には、協会の役員である委員は、まず、協会に関する議決に加わらないとのルールを定めるべきである。
  • 同規定は、昨年の同法の全面改正前から存在し、公認会計士を裁く側にある審査会委員が守るべき「一般的かつ最低限のルールを定めた規定」とも考えられる。一方、同法改正において協会が行う「品質管理レビュー」に対するモニタリングが審査会の責務とされており、協会の役員が審査会委員に就任する場合、審査会の議事運営全般にかかる公正性、中立性及び独立性に疑念を生じさせかねないことから、審査会がその議事運営に対する国民の信認を確保すべく「より慎重なルール」として、議決だけでなく、協会に関する議事についても参加を控えるよう定めることが考えられる。また、本ルールは、審査会内部の議事運営に関するものであり、審査会が「より慎重なルール」を定めることによって、何らかの形で法に抵触するとか、第三者や国民の権利義務関係などに不測の影響を与えるおそれはないものと考えられる。
  • 審査会によるモニタリングは、協会による「品質管理レビュー」の質を向上させることも目的と考えられるため、その点では、協会の役員が議事に参加することの意義も認められないこともない。
  • 協会に関する議事の性格によって、いくつかの基準を設け、審査会の議事運営について、公正性、中立性及び独立性にくれぐれも疑念を生じさせることのないよう、協会の役員である委員が、議決に参加するもの、議事には参加するが議決に参加しないもの、議事及び議決のいずれにも参加しないもの等を整理した上で、ルールを審査会において策定することが望ましい。
3.
今後、審査会委員の人選については、いわゆる「充て職」をやめ、真に適材適所の観点から「公認会計士に関する事項について理解と識見とを有する者」(公認会計士法第37条の2)を人物本位で選考すべきことについては概ね合意された。
4.
その際、会長をはじめ協会の役員が審査会委員に就任することは、審査会の公正性、中立性及び独立性を確保する観点から疑念を生じさせかねないため、次回以降はこれを行うべきではないことについても概ね合意された。
5.
審査会の審議内容に鑑みれば、監査の実態に精通する公認会計士が、審査会委員として複数選任されることが望ましいことについても概ね合意された。