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政策提言

2004/06/02 

よりオープンで信頼される自民党を目指して
―党改革に関する中間提言―
自由民主党 党改革検証・推進委員会

平成16年6月2日
自由民主党
党改革検証・推進委員会

(はじめに)

昨年11月の総選挙後、小泉総裁の「自民党を改革し、国民に信頼される政治を実現する」方針を改めて踏まえ、我々は党改革検証・推進委員会において、よりオープンな自民党、時代の変化にしなやかかつダイナミックに対応できる自民党、そしてこれまで以上に誰からも信頼される自民党を目指し、党改革の具体策につき鋭意検討を重ねてきた。
おりしも、年金制度をはじめとする社会保障制度改革やイラク、北朝鮮問題など、政治に対する国民の信頼が欠かせない多くの政治課題に直面する今日、我々が自民党の改革に謙虚かつ真摯に、そして不断に努めることはとりわけ重要と考える。第159回国会閉会並びに第20回参議院選挙を控え、ここにこれまでの同委員会での議論の結果を中間提言として公にする。


1.候補者選定プロセスの改善

(1) 公募制度の本格導入

  • 空白区及び補欠選挙における候補者選考は、公募を原則とする。
  • 党本部選挙対策本部内に、民間有識者を含む「公募制度管理委員会(仮称)」を設置する。
    ―――同委員会は、個別案件毎に調査の上審議し、1、選考委員会方式、2、世論調査の活用、3、プール制の活用、4、党員投票予備選挙など、候補者選定手続きについて選定する。

(2) 新人にもチャレンジの機会を

  • 原則的に「現職優先」を前提としつつも、例えば「世論調査実施要求制度」を整備するなど、新人にもチャレンジの機会を提供し、より「開かれた自民党」を目指す。ただし、当選回数の少ない現職には配慮する。

(3) 候補者プール制度(「小泉学校」)の創設

  • 公募応募者のうち立候補に至らなかった者や将来の我が党の国会議員としてふさわしい「金の卵」など、有為な人材を党本部直轄の「特別選挙区支部長(仮称)」に任命し、将来の公認候補予備軍としてプールする。

(4) 「候補者育成委員会(仮称)」の新設

  • 公募候補やプール制度下の人材育成、選挙地盤強化活動のサポートなどのため、同委員会を選挙対策本部内に常設機関として設置する。

(5) 候補者の予備的選考ルールの明確化

  • 実施主体、党本部との関係、費用負担、メンバー構成、予備選挙の際の党員名簿の公開など、選考の公正性担保措置等、これまで各県連・選挙区支部で区々だった基本的事項について、以下のような選考方法ごとに統一ルールを早急に策定する。
    イ.公募
    ロ.選考委員会方式
    ハ.世論調査方式
    ニ.党員投票予備選挙
    ホ.候補者プール制度(「小泉学校」)
    ヘ.その他

2.「政治とカネ」の一層の透明化

(1) いわゆる「モチ代」の廃止

  • 盆暮れに幹事長から議員に現金で手渡される、いわゆる「モチ代」については廃止し、今後政策活動費は、各議員の管理する政党支部もしくは政治資金管理団体への直接振り込みを原則とする。

(2) 政党支部会計管理の厳格化

  • 党のルールとして定められている政党助成金に関わる銀行口座とそれ以外の口座の分離が各支部において徹底されているかを再度チェックするなど、政党支部の会計管理を厳格化すると共に、政党助成金に関わる口座については将来のオンライン化を検討する。

(3) 政策立案特別会計の創設

  • 政策立案を目的とする特別会計(例えば「シンクタンク運営特別会計(仮称)」)を創設し、政策立案に関心を持つ個人、企業、団体からの資金協力を促す。

(4) 個人献金促進のため、政治資金収支報告提出を早期化

(5) 常勤スタッフの社会保険費用負担の徹底

3.政策立案能力の向上、党内人事のあり方の改革

(1) 自民党シンクタンク創設プロジェクト(「小泉プロジェクト」)

  • 政治主導による政策決定の必要性増大や「政権公約(マニフェスト)選挙」の定着等を踏まえ、自民党として中央省庁以外の政策情報源を確保し、政策判断のオプションを増すため、第一線の研究者等から構成する自民党独自のシンクタンクを創設する。運営費用は特別会計にて経理し、透明性を確保することにより、広く資金協力を仰ぐ。

(2) 「人事評価委員会(仮称)」の創設

  • 各議員が派閥を通さず、総裁に対し直接自らの関心分野、専門能力などを明らかにする「人事自己申告制度」を導入すると共に、業績評価システムを構築し、いずれも既存の「人事委員会」を拡充した「人事評価委員会(仮称)」(新設)にて管理する。

(3) 「日本版ポリシー・ユニット(政策官室・仮称)」の創設

  • 閣僚が当該官庁官僚以外から政治任用により補佐官を登用することを可能にし、より責任ある独自の総合政策判断を下せる体制を整備する。首相に関しても既存の総理補佐官に加え、同様の制度を整える。

(4) 大臣による「副大臣・政務官」の指名

  • チームとしての「大臣・副大臣・政務官」の機能を強化し、一層の政治主導の政策立案、行政執行を図る。

4.戦略的広報体制の確立

(1) 全ての広報活動は、幹事長と広報本部長が緊密に連携

  • 広報本部長室は幹事長との連携強化のため同じフロア-へ。

(2) 「コミュニケーション戦略統括委員会(仮称)」の設置

  • 選挙広報から、日々のマスコミ対応に至るまで、党のあらゆる広報を戦略的かつ一元的に統括するため、広報本部長の下に上記委員会を設置。事務局には民間の有識者、コンサルタントなどを入れる。

(3) 「広報担当スポークスマン(仮称)」を創設

  • 幹事長を補佐し、日々の自民党全体の対外広報を一元的に担う常勤・常駐のスポークスマンを置き、適時適切な情報発信やメディアリレーションを行う。

(4) 各種メディアとの多角的な情報交換体制の強化

(5) 危機管理広報体制の確立

5.「友好団体担当幹事(国会議員、任期3年)」を各4人程度割り当て、
  友好団体との関係再構築


6.これまで関係の薄かった業界、団体等との関係強化

(1) 新産業、成長産業などの支援体制整備

  • 組織本部内に新設する「ニューフロンティア協議会(仮称)」を通じ、政策対話を深め、規制緩和、新規立法等、かかる産業、企業の政策面からのバックアップ体制を整備。

(2) NPO・NGO関係団体委員会によるタウンミーティング展開

  • 新たな市民社会構築に向け、地方に出向いてタウンミーティングを開催し、各種NPO・NGOのと交流を深め、政策対話と連携を通じ、地域社会、国際社会に貢献する。

(3) 組合員、非組合員を含め「働く人々」との連帯促進

  • 労働組合との政策対話を深め、自民党が雇用確保、働く人の生活向上に貢献していることを知ってもらうとともに、政策要望の受け皿として関係強化を図る。
  • 組合活動とは距離をおく、いわゆる「サラリーマン」「OL」などとの交流促進

7.「無党派層」対策の強化

(1) 無党派層対策のため、党内に「LDPコラボレーション局(仮称)」を設置

  • いわゆる「無党派層」の抱える問題を総合的に調査研究すると共に、従来の自民党のしがらみにとらわれる事なく時代を先取りする政策立案と対話を戦略的に行う。

(2) 学生との交流促進、「若者塾」の共催

8.中央、地方を通じた党組織の強化・活性化

(1) 党組織の意志決定に、民意と時代の変化が反映される工夫を

  • 都道府県連や地域支部は、我が党組織の要。国民の心をしっかりと繋ぎ止めるためには、絶えず「オープンで時代を先取りできる、しなやかな自民党」を目指さなければならない。そのため、例えば常任総務会や地域支部において、民間経済人や地域ボランティアなど、時代の変化の最先端を担う人材を登用し、積極的に意思決定に参加してもらうなど、それぞれの組織が工夫を凝らして地方組織の一層の充実と活性化を図り、開かれた、身近かな政党を目指す。

(2) 地方分権、市町村合併下における地方組織の重層化の推進

  • 市町村合併に伴い、支部の地理的範囲が拡大すると共に、これまで党組織の重要部分を担ってきた市町村議員の定数減から、党組織の希薄化が懸念される。これに対処するため、「支部」の下に「ユニット(仮称)」、さらにその下に「サブユニット(仮称)」など、地域組織の重層化を図る。また、地域横断的なものも含め、グループ、サークルなどに対応したユニット等も積極的に組織する。

(3) 「どこでも井戸端会議」の開催