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政策提言

2004/06/16 

会計・監査・開示・コーポレートガバナンスの充実・強化に向けて
(中間論点整理)
自由民主党 金融調査会・企業会計に関する小委員会

平成16年6月16日
金融調査会 企業会計に関する小委員会

当小委員会は、いわゆる「2005年問題」を巡る国際的な視点から、会計、監査、開示制度及びコーポレート・ガバナンスについての制度的な課題に関して広範な検討を行った。
特に、重要であると考えられる方策については、下記のとおり取りまとめたところであり、当小委員会としては、引き続き検討を深めていくこととしているが、政府をはじめとする関係者においては、下記の諸点を踏まえて主体的に取り組むことを強く期待する。

○ 会計制度

  • わが国において、外国会社が国際会計基準に基づいた財務諸表を用いることはもちろん、わが国の会社等の証券発行者が国際会計基準を採用して財務諸表を用いることを認めるよう、証券取引法等関係法令の所要の制度を整えること。
    なお、EUにおける当面の間のわが国の会計基準の取扱いについては、わが国の会社等の証券発行者の活動に過度の支障が生じることのないよう、EU関係者に働きかける等適切に対応すること。
  • 米国の会計基準と国際会計基準との間の「収れん」(convergence)が着実に進展している国際的な状況を踏まえて、わが国としても企業会計基準委員会が中心となって国際会計基準審議会の作業に積極的に参加し、わが国の会計基準の国際化に一層取り組むこと。
  • わが国の会計基準の整備・改善を目指した資本市場の担い手による主体的な取組みを展開していくために、企業会計基準委員会の運営の基盤をさらに強化し、日本公認会計士協会、日本経済団体連合会、東京証券取引所等の関係者の支援と協力の一層の充実を図ること。

○ 監査制度

  • 監査の独立性の確保のために、監査事務所、日本公認会計士協会による自主規律の一層の徹底を図ること。
  • 監査に対する監視・監督の強化という国際的な状況を踏まえて、本年4月から施行された改正公認会計士法を着実に実施していくこと。 
    特に、監査証明業務と非監査証明業務の同時提供の禁止等の関係法令の具体的な諸措置の実効性を確保し、そのための所要の体制を整えること。
    なお、米国企業改革法(Sarbanes-Oxley Act of 2002)のわが国監査法人への適用については、わが国における監査の充実・強化への一層の取組みを前提として、わが国の監査法人等の関係者に過度な支障が生じることのないよう、適切に対応すること。
  • 監査人としての責任をまっとうするために、国際的な水準に比べて相対的に低いとされる監査時間・監査報酬について、監査の手続・リスク・結果との関係で適確に反映されたものとしていくこと。
    特に、公認会計士・監査審査会は、この点を十分に踏まえて改正公認会計士法によって与えられた権限を適切に行使すること。
  • 監査人の責任を制度上より明確に位置づけるために、商法等関連法の改正によって、会計監査人の責任を株主代表訴訟の対象とすること。
  • いわゆる「警句問題」(legend)がもたらしているわが国の実務に対する国際的な認識の改善のために、わが国の制度の整備・改善、その実情についての「対外発信」等に努め、いわゆる大手監査法人、日本公認会計士協会においては、いわゆる大手国際会計事務所(big firm)に対して所要の対応をとること。

○ 開示制度

  • 適確・有益な投資情報の一層のディスクロージャーのために、四半期開示を認めるよう、証券取引法等関係法令の所要の制度を整えること。
  • わが国の資本市場の国際化・活性化を図るため、国際的な金融取引における主要言語としての英語によって外国会社等の証券発行者が財務書類を開示することを認めるよう、証券取引法等関係法令の所要の制度を整えること。

○ コーポレート・ガバナンス

  • 経営者の責任をより強く求めるために、商法等関連法の改正によって、財務諸表の虚偽・不実の記載の場合等の経営者に対する罰則を強化すること。
  • 監査役・監査委員会による内部監査の充実を図ること。
    特に、商法等関連法の改正によって、監査役・監査委員会取締役の独立性の強化、これらへの会計に関する専門家の選任の義務づけ等の検討を行うこと。
  • 内部統制の充実、企業内倫理の徹底等のために、商法等関連法の改正によって、内部統制の整備・遵守に対する経営者の責任を制度上より明確に位置づけるよう、検討を行うこと。


以上