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やすひさの瓦版 Yasuhisa's Kawaraban やすひさの季刊誌をまとめています

1998/09/09

やすひさの瓦版(第36号)

「自民党的なもの」への反発

 去る7月の参議院選挙において自民党は大敗を喫しました。その原因について様々な議論が行われていますが、一つ一つの政策を検証しながら冷静に振り返ると、今回の結果は決して「予想外」ではなかったのかも知れません。私が強く反対した厳しいリストラ条件ぬきの銀行への一律資本注入(3月末)やPKO(公的資金による株の買い支え)のように明らかに誤った政策、また、財政構造改革法のように国民に納得を得られていなかった政策や説明不足で誤解をされていたものなどがかなりあり、反省すべきところ大です。また、諸改革の意味や到達点、更に改革に伴う具体的「痛み」についての率直な政府・与党側の国民に対するコミュニケーションは、残念ながら決定的に不足していたと言わざるを得ません。
 しかし、より大切なことは、今回の惨敗が橋本前政権の具体的政策への反発や経済の低迷への国民の苛立ちの現れに止まらず、老後や子育てを控えた「現状への不満や将来への漠たる不安」、また「それらを打開してくれそうもない『古臭いもの』すなわち『自民党的なもの』への反発」と広く解釈すべき点であり、更に今回の選挙結果には「国家をいかに治めていくのか?」という国全体のガバナンス(統治)の仕組みそのものの見直しを迫る、重大な問題提起が込められていると思っています。