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やすひさの瓦版 Yasuhisa's Kawaraban やすひさの季刊誌をまとめています

2008/07/24

やすひさの瓦版(第78号)

政治への信頼回復に、全力投球

 昨年の参議院選挙の結果生じた「ねじれ国会」。臨時国会、通常国会とふたつの国会を経ましたが、残念ながら国民の政治不信は深まりつつあるように思います。

 その理由の第一は、国会が「答えを出す政治」の責任を果たしていないからです。国民にとって重要なことは、国会がねじれているかどうか、ではなく、生活に直結する様々な問題に対し、国会がひとつひとつ立法という形で答えを出すことです。しかし、ガソリン価格は暫定税率をめぐって乱高下、地域力再生機構法案は通らず、地方再生は置いてきぼり。一部の医療財源は手当てがつかず、我々が議員立法提案した障害者団体からの優先調達法案(「ハート購入法」)は継続審議。日銀副総裁も未だに一人欠員のままです。一方で、国民が期待する政策論議の頂点であるはずの「党首討論」は、自民党からの再三の呼びかけにもかかわらず、通常国会中、たった一回しか開催されませんでした。

 米国や豪州では、現在を含め政権と議会がしばしば「ねじれ」状態にありながら、日本のように議論が行われないまま政治が停滞し、国民生活に必要な法律が成立しない、ということは余り聞いたことがありません。対案も示さず反対だけして政治停滞を招く。日本の民主主義の熟度が問われています。各政党はこのことを深く肝に銘じ、政治の在り方を考え直さねばなりません。

 第二の理由は、政府・与党も有効な政策を打ち得ていなかったり、説明責任を十分果たしておらず、国民の納得いく政治を行っているとは言えないと思います。石油や食料品、原材料などの価格高騰へのスピーディーかつ的確な対応が強く求められていますし、「後期高齢者医療制度」、年金記録問題など年金不信等、生活を直撃する問題への対応において、国民意識との間に大きなギャップができていると思います。特に「後期高齢者医療制度」に関しては、与党PTにおける緊急的見直しは行われましたが、解決すべき課題は多く残されたまま、国民の理解は殆ど深まっていません。最大の問題は、自民党内で侃々諤々の議論が行われていないことです。

 私たち自民党有志議員は、先般「国民の安心を実現し、政治への信頼を取り戻す会(リゲインの会)」を立ち上げました。自民党が社保庁改革、年金記録問題、「後期高齢者医療制度」などに関し、国民の目線でそれぞれを改めて徹底再検証し、高齢者医療制度については改善提案を早急にまとめるべきことを提案しています。

 政治は納得です。それぞれの問題に関し新たな政策対応を取る際には、国民の皆さんが納得できるまで、丁寧に、繰り返し説明をし続ける。これが基本です。

 例年11月から議論が始まる自民党税制調査会は、今年は7月1日から議論を早々にスタートさせました。年末に向け、「道路財源の一般財源化」という大きな課題への挑戦が待っています。また、医療・福祉、子育て支援、地球温暖化対策など待ったなしの財源確保も実現が必須です。

 我々政治家は、改めてその果たすべき責任と役割をしっかり再確認し、国民生活の一つ一つの重要問題に対し、「答えを出す政治」を実現しなければなりません。私も、政治への信頼回復を図るべく、引き続き全力投球して参る覚悟です。