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やすひさの瓦版 Yasuhisa's Kawaraban やすひさの季刊誌をまとめています

2006/05/25

やすひさの瓦版(第69号)

「国のかたち」を問う深い政策論争を

 去る4月23日投票の衆院千葉7区の補欠選挙では、自民党は民主党に僅差ながら苦杯しました。一部に「落下傘候補を選んだ公募制度が問題だ」との指摘がありましたが、全くの誤りです。千葉県連自身が選んだ候補者が負けてしまったのです。民主党は「偽メール」問題もありましたが、小沢新代表の就任でイメージを一新、「負け組ゼロ」をスローガンに掲げて格差社会の解消を訴える選挙戦を展開しました。一方、ここにきて小泉改革の負の部分として、「勝ち組負け組」に象徴される格差問題への関心が強まっていた時だけに、結果として自民党は守勢に立たされてしまいました。

 小泉政権が誕生して5年間、高齢化社会が進む一方、構造改革を進める中で社会の仕組みや雇用形態が変化し、ニート、フリーターが増加するなど様々な要因を背景に、格差が広がったことは事実です。しかし、改革なくして経済が危機的状態のままであったであろうことを考えれば、大きな方向は正しかったはずです。頑張って成功する若者なども沢山出て来ました。問題は「勝ち組・負け組」が固定化されることです。要は多様で自由な競争が確保され、努力した人が正当に評価され、努力しても結果として「負け組」になってしまった人が再びチャレンジのできる社会の仕組み作りが必要です。この程、高齢者や女性はもとより、若者を含め、教育でも企業経営でもあらゆる面で再チャレンジできる日本を創ろう、と官房長官の下に「再チャレンジ推進会議」ができました。

 改革は続けなければなりません。この9月の総裁選に向け、こうした問題を含め、明るい未来に向けたこの国のかたちを問う深い政策論争を行い、国民にきちんと説明をしなければなりません。

世界の中の日本

 外務副大臣としてこの半年間、私は様々な国を訪問し、数多くの海外の要人との面談や国際会議への参加を体験してきました。これまで強く感じたことは、世界の中で日本は本来の力をもっと出し、日本ならではの「強さ」を世界に発信し、世界標準作りや意志決定に参加することにより、日本がそのまま世界に通用するようにすべきであるということです。同時に大事なことは、日本社会における力のある外国人等の受容力を高め、世界中から「良いヒト、良いモノ、良いカネ」が日本に集まり、「日本に住んで、働いて、研究して楽しい」と思ってもらえるようにすることです。その結果、世界の中での日本の存在感が高まり、国民生活の向上にもつながるものと確信します。こうしたことを実現するための勉強会を、近々外務省内に立ち上げようと思います。