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やすひさの瓦版 Yasuhisa's Kawaraban やすひさの季刊誌をまとめています

2005/01/01

やすひさの瓦版(第62号 新春特別号)

明けましておめでとうございます。昨年も大変お世話になり、ありがとうございました。お陰様で衆議院法務委員長に就任、本年も沢山の法案審議に当たります。
小泉改革も4年目。郵政改革関連法案で、大きな改革メニューが出揃います。しかし多くの国民は、より明確な日本の将来ビジョンと各々の生活の長期展望と安心を求めていると思います。立党50年を迎える自民党の再生を賭けた党改革推進とともに、歴史を踏まえた新たな国家ビジョン作りになお一層努力する所存です。宜しくご指導下さい。


戦後60年、ポーツマス条約100年

 今年は、丁度終戦60年、そしてポーツマス講和条約締結100年の節目を迎えます。昨年の10月、私が事務局を務める第7回日米金融会議が米国ニューハンプシャー州ポーツマスの隣町にある、小村寿太郎、ウィッテ両代表が100年前に滞在したホテルで開催され、私も参加しました。
 司馬遼太郎氏は、日露戦争の勝利が日本国と日本人を調子狂いにさせ、その結果、太平洋戦争の敗戦までの40年間を「捨てられた日本の近代」としてしまった、と記しています。明治憲法が明確に定める三権分立を大きく踏み外した超憲法的な「統帥権」を持つ「参謀本部」が生まれ、国家として統一的な意志決定能力を持たないまま、様々な悲劇を経て先の大戦の終戦を迎えるのです。
私たちはこうした歴史に改めて学び、変動の時代に旧弊を脱し、民主主義に根ざした国としての明確で揺るぎなき意志決定の仕組みを再構築する時を迎えています。

改革の先に中長期ビジョンを

 「民でできることは民で」「中央から地方へ」そして「改革なくして成長なし」とのかけ声で始まった小泉構造改革。かつては触れられなかった多くの改革に着手し、様々な課題を残しつつも、硬く固まった根雪を少しずつ溶かすように、内政は動き出しました。外交・安保面でも、様々な議論を巻き起こしながら、国際状況の変化に応じて、日本の役割と責任は大きくなってきています。
 しかし、その具体的な政策としての中長期戦略作りはこれからです。例えば、経済の足腰、国際競争力を抜本的に強化する体制作りや年金、医療、介護、障害者、子育て支援など、社会保障制度全体の新たな全体ビジョン策定も急がれます。財政再建は、いわゆるプライマリーバランスの黒字化が達成される2013年以降の政府債務の解消への道筋を明示しなければなりませんし、教育改革への取り組みは、次代への重要課題です。また、朝鮮半島が一層不安定化し、中国が国際舞台での存在感を増す中で、日本独自の対アジア戦略、国連改革での日本の位置づけなど、中長期的外交・安保のグランドデザインも明らかにしていく必要があります。

今こそ、新たな「国のかたち」作り

 今政治に最も求められていることは、こうした21世紀の日本の新たな「国のかたち」を、バラバラの政策の寄せ集めではなく、全体像として示すことではないでしょうか。大きな国家ビジョン、国家戦略です。そして、そのリーダーシップは政治が担わねばなりません。
 明治維新時の開国、戦後の開国に続く、「良いヒト、良いモノ、良いカネ」は広く門戸を開ける「第三の開国」が必要です。荒れつつある人心を耕し直し、日本の古き良きものを守るためにも改革を続け、何よりも、目指すべき日本の未来像を指し示す時ではないでしょうか。
 折しも、憲法改正論議が盛んになっています。これを機会に、新しい日本の「国のかたち」を皆で作っていきたいと思います。

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