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やすひさの瓦版 Yasuhisa's Kawaraban やすひさの季刊誌をまとめています

2003/05/31

やすひさの瓦版(第54号)

先送りを止め、「三度目の正直」としよう

5月17日、預金保険法第102条に基づく「金融危機対応会議」が始めて開催され、りそな銀行に対する3回目の資本増強による同銀行の「実質国有化」が決定されました。

多くの国民は怒っています。「過去の資本注入でも問題の根本解決ができず、3回目は何と2兆円もの多額。中小企業との扱いの差が大きすぎないか!」との声です。この上は問題先送りはもう止め、今回の一件が日本の金融システム健全化への「三度目の正直」の始まりにしなければなりません。

そもそもこの第102条の仕組みは、米国の預金保険法のいわゆる「システミックリスク・エクセプション」と呼ばれ、大統領との協議まで行なう、信用秩序維持のための非常手段を参考に作られたもの。いわば「伝家の宝刀」であり、もちろん米国では、91年導入以降一度たりとも使われたことはありませんし、手順も至く簡単に決められているだけです。つまりこの法律は、金融危機は未然に防ぎ不測の事態は許さない、という国家の決意表明であると同時に、万が一の場合には、あらゆる手段を講じて信用秩序は守ります、という行政の基本姿勢を明確にしているものだと思います。