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やすひさの瓦版 Yasuhisa's Kawaraban やすひさの季刊誌をまとめています

2002/11/30

やすひさの瓦版(第51号)

金融・経済再生策の早急な詰めを!

「金融再生プログラム」と「改革加速のための総合対策」、いわゆる「竹中プラン」と「総合デフレ対策」が発表された。自民党や与党からは「こんな過激なものはとんでもない」といわれ、一方マーケットや海外投資家からは「中途半端で問題の先送り」と、両極からすこぶる評価が低い。

しかし内容を詳細に見てみると、繰り延べ税金資産の自己資本上の扱いは、表向き先送った格好だが、私たちが一貫して主張してきた一連の政策が、とりあえず形の上ではかなり導入されたものとなった。

そもそも私たちが「政策新人類」と呼ばれた98年当時から、「ハードランディングかソフトランディングか」という不毛な論争が延々と続いて来た。今回も「デフレ対策が先か、不良債権処理が先か」と不毛な論争の構図に変わりがない。

重要な事はこれからの先の詰めの段階を曖昧にせずきっちりと行い、決してこれ以上問題を先送りする事なく、中途半端な金融・産業再生を試みたりしないという事だと思う。ランディング(着陸)しない飛行機はありえず、このまま上空旋回していては「日本号」という飛行機は早晩燃料切れで、クラッシュ(墜落激突)は火を見るよりも明らかだ。

「竹中流」行政は、生身の銀行や企業の生殺与奪の権限を持つ為政者のものとして疑問がある。金融はあくまでも体育実技のような「実技科目」であり、「体育講義」のつもりでレポートを提出するだけでは及第点はとれない。

それにしても成案に至るまでの銀行や与党リーダーの反発を見ると、自らの過去に対する責任感の欠如に愕然とする。根本的解決に踏み切らず、放置した政治も等しく責任を負うべきであろう。