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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2012/09/25(火) NO.735号 

再稼働は政治が決める

 いよいよ明日に迫った自民党総裁選。今日一日、安倍晋三候補支持の最後のお願いをする。安倍元総理には、新しい自民党を創り直し、民主党政権によって大きな痛手を負った日本経済・社会、領土問題を含めた外交・安保政策などの再生を託さねばならない。安倍総裁誕生に向け、最後まで力を抜かずに頑張りたい。

 さて、民主党代表選は一足早く21日(金)に終了。野田総理は再選を決めた臨時党大会で、「日本の最大の政治改革は、決めなければならないときに、きちっと物事を決める政治にすることだ」と決意表明したとのこと。しかし、その同じ日に、「物事を決める政治」とは真反対の姿勢を早速に示し、失望させられる。

 再選後の記者会見で、「原発再稼働の判断について、総理が行うのか?それとも原子力規制委員会が行うのか?」と問われると、「再稼働をするかどうか、これは規制委員会が主導的な役割を果たす」、「(再稼働の条件も)規制委員会がご判断をしていくこと」とし、安全技術的判断に止まらず、実際の再稼働に至るまで、全て規制委員会が決め、総理である自分は高みの見物をする、と言う訳だ。政治からの独立性をはき違えており、国民生活に最終責任を持つ総理としての責任放棄も甚だしい。

 一方、田中俊一・原子力規制委員会委員長は、今朝の一部朝刊に掲載されているインタビュー記事でも明らかにしているが、同様の問いに対し、「再稼働の最終判断は規制委員会が行うのではない」、「それは政治や経済産業省資源エネルギー庁の問題」と答えており、私達が作った、国際標準の原子力規制の制度上、彼の答えが正しい。

 原子力規制委員会は安全基準を作り、それに照らして安全かどうかを判断するにとどまる。規制委員会によって、安全であるとの評価を受けても、最終的な再稼働の判断を下すのは、あくまでもエネルギー担当の経済産業大臣、そして最終的には総理なのだ。国民に対し、技術的な安全性が担保された原発について、立地地域や広く国民に再稼働を納得してもらうようお願いし、説得するのは、他でもない経産大臣、さらには総理、つまり政治の役目、責任であり、そこまで規制委員会に責任を押しつけようというのは、「決められる政治」とは真反対の政治だ。国民の暮らしを守る、との覚悟のないこのような政治姿勢では、原子力政策に最も大切な、国民からの信頼と信認(trust and confidence)はいつまで経っても得られない。

 原子力規制委員会法案は私が一から作成し、修正協議を経て法案の成立、新組織の発足に至るまで深く関わった。委員長、委員人事、そして事務局たる原子力規制庁幹部人事では、国会無視、専門性無視の姿勢に唖然とさせられたが、さらに再稼働問題における責任放棄のように、今次改革の最も重要課題、改革の根幹である「独立性」の意味を、野田総理自身が全く理解していない、という現状を目の当たりにし、大いに失望させられる。野田内閣は、福島原発事故から一体何を学んだのか。重大事故を起こした日本は、国際社会への責任からも、もっとしっかりしなければならない。やはり、政権交代しか解決方法はないのだろう。

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