トップ > やすひさの独り言

やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

  • メールマガジン登録・解除
  • 全タイトル一覧
  • バックナンバー
1999/12/10(金) NO.7号 

これでいいのか、税制改革!

 今年から自民党税制調査会の「幹事」の末席に入れていただきました。最高顧問(山中貞則先生)、会長(林義郎先生)以下幹事までの会議を俗に「正副」と呼び、まとめる側としての議論をします。 確かに比較的冷静にレベルの高い議論が行われており、私も既にかなり発言していますが、かなり考えた上で発言しないと恥をかきそうです。
 
 しかし、今の税調のやり方には私は若干の疑問と改善提案を持っています。つまり、毎年11月終わり頃から議論を始め、12月15日頃最終的な大綱をまとめますが、2〜3週間ですべてを片付けようとするやり方に私は疑問を持っています。例えば来年度から確定拠出型年金制度を導入する予定ですが、他の制度の税制上の扱いとの平仄や、そもそも現行年金制度を支える税制そのものに根本的問題点があり、昨年の大綱で「年金税制全般の見なおし」を検討項目としてあげていながら、抜本的見直しを行わずに今年の税調の季節を迎えてしまっているのです。
 
 根本的問題を抱えた現行制度の上に新しいものを乗せようとする訳ですから、少しだけ現行制度を直して新制度を導入するか、とりあえず新制度を導入して1年後までに新しい枠組みを作るか、新制度導入を先送りするか、程度の選択肢しかありません。これではいつも中途半端な制度しか作れない事になってしまいます。
 
 第一回の「正副」で私は「抜本的見なおしが必要な問題についてはプロジェクトチームを作り年末の税調までに答えを出し、整合性や横並びで見ても一貫した制度設計をすべき。その為にも、税調は「通年税調」にすべし」と主張しました。おそらく大蔵省が政治家の介入を最小限にする為にこのような時間的流れを作ってきたと思いますが、今や「正しい政治主導の政策決定」が必要な時。大蔵省主税局の優秀な皆さんと、時間をかけて政治家が議論をし、国民の気持ちも踏まえた上で全体的な姿も「美しい」税制改革を実現したいものです。