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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2013/06/13(木) NO.762号 

多くのがん関係者の思いを胸に

 一昨日、私が事務局となって鋭意進めている、がん登録法制化作業チームの会合が開催され、先月より「国会がん患者と家族の会」のホームページで公開、募集している、がん登録法案のパブリックコメントの内容について、検討と議論を行なった。

 今回、議員立法としては初めての試みとして、広く関係者のみならず、一般の方々からもパブリックコメントを募ることとした。政府提出法案ならばしばしばみられるこの手法、議員提出法案に関して行なわれるのは前例がない。

 最初はホームページに法案を公開するだけで意見が来るだろうかと心配していたが、協力的に取り上げてくれたマスコミの存在もあり、また「がんサミット」等で私が法案を説明するとともに、今回のパブリックコメントの取り組みについても少なからずPRした甲斐もあり、大変多くの意見が集まった。どれもこれも、しっかりとした、強い思いをこめて書いて下さったことが伺える、深い内容のものばかりだ。

 かつてがんを患ったが、摘出手術を終えたサバイバーの方や、現場で長らく地域がん登録に関わってこられた医師の方、更には今まさにがんと闘っておられるご夫婦の、お二人それぞれから、現在いかに厳しい窮状の中でがんと闘っておられるかを伝えるコメント等、ひとつひとつを真剣になって読み込んだ。

 また、日本医学会、日本癌学会、日本消化器外科学会といった学会からも、専門的立場に立った知見が伝えられた。どれもこれも貴重な声、思いだ。

 パブリックコメントを受け、何点かの追加修正もなされることになった。例えば、これまでの地域がん登録制度と法制化による全国がん登録制度との連続性について、骨子案では明記されていなかった。パブリックコメントでも多く指摘されていたが、この点に関しても、不連続が生じないように措置することをはっきりと法律に明記することなどが確認された。

 もちろん全ての声を全て反映、というわけにはいかないが、取り上げられ得るものは可能な限り取り入れるつもりだ。後は法文化に向けて、国会の法制局も含めた我々が、責任を持って進めなければならない。

 今日の議論で出た論点のうち、国と地方との費用分担については結論が出ず、持ち越しとなった。議員立法でこうした財政負担の国と地方との間の割り振りまで考えなければならないケースはごく稀で、これもわが国では初の事例ではないだろうかとのこと。それだけ、この法案の持つインパクトが大きいということではないか。

 がん関係者の皆様の思いと声をしっかりと活かすため、法案成立に向けて更に全力を尽くしたい。