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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2000/07/12(水) NO.55号 

結果オーライとなったそごう問題

 そごうが民事再生法適用を申請した。私がかねてから主張してきた対応方法であり、ここまでもってこられた亀井政調会長のご努力とその力量に敬意を表したいと思います。御苦労様でした。
 
 ただ、今回の教訓は、

(1)そもそも国民の税金を使うのに当たり、納税者の代表たる国会議員による議論もなく行政が今回の処理案を決めてしまった。今後こうしたことを許してはならない。

(2)5日の代議士会において私は執行部に対し、是非自民党の中で議論を尽くしていただきたい、と要望したにもかかわらず、ことのデリカシーを考慮し、議論を関係部会長までにとどめたことは、開かれた政党(確か「オープン」というポスターがあったはず)を標榜してきた自民党らしくない。政調会長等の幹部は手の内を明かす必要はないのだから、とりあえず自民党内での平場の議論を行い、自民党は行政の言いなりになる政党ではないことを国民に対し、しっかり示しておくべきだったと思います。幹部はその後に判断をすればよい。
 
 どうもこのところ、一部幹部で決めたことがどーんと我々に降りてくることが多いような気がします。自民党の良さは、自由に何でも発言できるところだったはず。大混乱しても、最後は何とかまとめる、と言うダイナミズムが自民党から無くなってしまっては、我が党に明日はないと思います。

(3)今回はたまたま亀井政調会長の豪腕で、「結果オーライ」となったが、今後も同様の債権放棄要求が想定されるので、ここでしっかりそうしたときの対応ルールを確立しておく必要があります。
 平成11年7月に債権回収機構(RCC)が、北拓銀行から取得した丸井今井デパート向け債権約350億円のうち約170億円を債権放棄したことがあるが、この際我々政治サイドは何らの声も上げ得ていない。我々はこのことに責任を感じ、今後のルールを確立することが、国民への公平性、透明性確保に不可欠だ。そもそも民事再生法の枠組みの中で債権放棄計画が新たにでてくることは用意に想定できるのであり、そのときも司法と行政・立法との間の整理ルールが必要となるはずです。

(4)今回もっとも大事なことは、経済構造改革を推進するか、それとも問題先送りするか、と言う重要な分かれ道での選択であり、結果として構造改革の道が選ばれたことです。今回の総選挙での論点の大きなものは、経済構造改革及び財政再建を行うか否か、だったと思います。たまたまの結果オーライで済ますのではなく、路線変更として経済構造改革への道を今後もとり続け、一日も早くバブル経済の後遺症からあく抜けをすべきです。