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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2001/03/01(木) NO.137号 

えひめ丸事故家族の心の区切り

 昨日、えひめ丸事故に関して米国政府が代表として派遣してきたファロン特使(米海軍作戦副本部長・大将)が与党三党幹事長との会談で明らかにした、愛媛・宇和島への訪問に同行する。
 朝7時に米国大使公邸に集合、関谷、西田、野間、山本の各氏ならびに私が愛媛県選出国会議員として同行した。六本木から厚木基地までヘリコプターで移動するはずが、悪天候のためバスで移動、"US Navy" と書かれたジェット機で松山空港へ降り立つ。バスで愛媛県庁へ移動し、加戸知事らと会談し、ファロン特使が謝罪。これまた悪天候でヘリコプターが飛ばず、JRで宇和島入り。直ちに宇和島水産高校へ。まず校長室で行方不明者のご家族とファロン特使ら米国側代表が話し合う。我々は別室で待機し、予定の10分経過後現役の生徒さんやPTAの皆さんが集まっている部屋へ移動。TVカメラや外国からも含めて沢山の報道陣もいた。
 家族との会談は10分の予定が1時間にもなったが、当然、と思う。ファロン氏も汽車に乗り遅れてでも話し合い、誠意を尽くしたいと言っていたようだ。ようやく全員が集合。特使、駐日公使、大阪駐在総領事、在日海軍司令官、国防総省代表の5人に対し、校長先生、行方不明者の家族、生徒、PTAが向き合う。国会議員、宇和島市長、県会議員などが陪席。 
ファロン特使から改めて謝罪の言葉があった後、ご家族の一人から次ぎのような感動的な言葉が述べられた。行方不明になっている教官の中田淳先生の義姉の高木正子さんが「ブッシュ大統領、フォーリー大使をはじめ、米国側の誠意ある対応と心からの謝罪を私たちは十分受け入れていることを分かって欲しいし、そのことを本国に伝えて欲しい。ファロン特使は家族の一人一人と握手してくださったが、大将の暖かい握手は一生忘れません。ワシントンポスト紙が残念な報道をしているが、私たちは、もうこれ以上の謝罪はいらないのです。
何とか船体を引き揚げていただき、仮に体が見つからなくても、髪の毛一本でも、洋服でも、何でも良いから行方不明になっているものに関わる物を手にし、心の整理をつけさせて欲しい」との事だった。
 希望することはこれ以上の謝罪ではなく、船体引き揚げと真相解明と、敢えて加えれば潜水艦の艦長からの直接の謝罪なのだろう。ひとつの区切りの時が来ていることを、ご家族自らの言葉で語っていただいた気がする。
再びJRで松山へ、松山空港から専用機で横田基地に夜7時に戻る。