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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2001/06/11(月) NO.186号 

未解決の精神障害者問題に冷静な対応を

 とんでもない事件が池田小学校で起きてしまった。
何よりもまず、失われた8人の尊い命に対して心からお悔み申し上げます。また怪我をされた方々、学校関係者、ご父兄の方々にもお見舞い申し上げたいと思います。
  この事件について今日、自民党でも対策本部の第一回会合があった。私もメンバーになったが、基本的に文教関係議員が多かった。事件発生場所が学校なのでやむをえないが、事の本質は厚生政策と司法政策の問題だ。対策本部の名称も「・・・池田小学校事件対策本部」となっていたので、是非「精神障害者医療の確立」などの意味合いの言葉を入れていただくよう、幹事長に提案した。
 保岡代議士が冷静で建設的なペーパーを配布し、ご説明された。基本的に賛成したい。まず大事なことは、今回の事件発生によって、精神障害者への偏見を強めてはならず、むしろ、未解決の問題である法に触れた精神障害者の扱いや、スムーズな社会復帰の問題に冷静迅速に答えを出すべき、という。その通りだ。法に触れた精神障害者の問題は、前回の精神障害者福祉法改正の際には積み残し案件として付帯決議で今後の対応が要請されていた。要は、司法サイドと医療サイドがお互いにそうした障害者を押しつけ合って、建設的な対応になっていないままなのだ。
 私の地元のある精神障害者作業所の移転計画に対し、一時新規移転先候補地に隣接する幼稚園の関係者が移転に反対していたが、松山市と世論の熱意で理解を示して頂くようになったばかりだったが、この事件ですべてが逆戻りするのではないか、と心配になっている。ボランティアで頑張っている人達も、また障害者の皆さんも今回の事件で代ショックを受けている様だ。
 私の高校時代の同級生で精神科医として活躍している親友に聞くと、そもそも今回の犯人が「精神病」であるかどうかすらはっきりしないといっていた。文部科学省が今日配布していた資料には「分裂症」と書いてあったので、「事実か?」と注意を促しておいた。つまり、分裂症でもないのに分裂症だと言い切ってしまえば、益々精神障害者への差別と偏見が強まってしまう。肝心な事は、そうした精神障害者が再犯をせず、スムーズな治療と社会復帰ができること。そのためには新たな施設も必要かもしれない、といった問題なのではないか。