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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2001/08/30(木) NO.211号 

大勢の支援と東ティモール人の努力で選挙は無事終了

 いよいよ投票日。いつもの運転手さんが投票のために運転できなくなったので、UNICEF現地代表の浦元氏自らの運転する車に私が同乗、ピースウインズジャパン(PWJ)の所有する四輪駆動車3台と共に出発。NGO(PWJ)の一員として登録された選挙監視IDと揃いのTシャツと帽子が支給されており、皆それらを身に着ける。
 まず、リキサ県のファトマシという標高800メートルはあろうかという山中の村まで一気に登り、投票所へ行く。三村落、1800人の有権者が対象で、既に長蛇の列。国連のマーク入りの帽子をかぶった自動小銃を持ったポルトガル兵士とアメリカから来ていた警察官がしっかり警備しており、いささか緊張した。写真撮影も禁止される。投票所の中へ案内してくれたのはフランスから来た若い女性。
 23日までに既に有権者登録を済ました村人達は、IDをまず提示しコンピューター打出しの有権者名簿でチェック。続いて隣のテーブルで右手の人差し指を「ブラックライト」と呼ばれる携帯水銀灯のようなもので照らし、ダブり投票をしていないかをチェック。パスなら指先に反応薬らしきものを噴霧され、投票用紙を二枚(地方区と全国区)持って投票ブースへ。マークは鉛筆でのチェックか備え付けのくぎで用紙に穴をあける。そして投票箱に投票。結構システマティックだ。
 UNICEFが復興した同じ村落にある谷間の小学校を見学。30メートルはありそうな高い木が沢山はえ、その下にはコーヒーの木があり、その合間にある緑一面の平らな谷間。サウンド・オブ・ミュージックの情景の様に美しい!ディリから車で1時間半も離れたこんな山奥でも、殆どの家やマーケット、学校などは99年9月に焼け打ちにあっている。屋根が新しいトタンの建物は皆そうだ。この教会が運営する学校も被害にあい、屋根はUNICEF、網の窓と椅子、机、黒板などは世界銀行がお金を出して復旧したそうだ(この地域の家やマーケットは皆PWJが復興)。この学校、三教室と先生の部屋しかない。先生の部屋の黒板に生徒数が書いてあるが、「ピラミッド型」の構成にびっくり。一年生が244人、学年が上がるに従って102人、40人、26人、35人、25人そして6年生は19人。人口自体がピラミッド型ではあるが、問題は留年が多く、そのうち学校を止めて家などで働き出してしまうそうだ。国造りに教育は大事だ、と浦元氏が熱く説く。
 そのまま険しくデコボコ、かつ所々谷底に落ちそうな危険な山道をドンドン登り、最高は標高1200メートルくらいまで上がり、山越えをし、エルメラ県に入り、中腹のリフという村落の投票所を見学。そこに辿りつくまでの道中、歩いて投票所から帰る現地の人達と数限りなく会う。女性は黄色や青の美しい衣装で着飾っている。浦元氏によれば、東ティモール人はもともと山岳民族だそうで、いかにもそれらしい雰囲気のコスチュームだ。また、尾根近辺からふえりかえると、通って来た道沿いに一面に光って見える新しいトタン屋根の住居は全てピースウインズが1年半で修復したもので、彼らだけで4500戸も完成させたそうだ。それも日本人スタッフはたったの4人、後は現地スタッフが取り組んだそうだ。
 ファトマシの投票所のピースキーピングはオーストラリアの警官だった。案内はザンビアの若い美人女性。性格がメチャ明るかった。記念撮影。何と2時現在でほぼ100%に近い投票率で、目の前で並んでいる20人余りが投票すれば終わりだそうだ。何という投票率!
 同じ村落でピースウインズが支援してきたコーヒー豆の加工場を見る。手動のコーヒー豆の皮むき機を回してみる。回りには「おばあちゃんと孫かな」と思って見ると何と赤ちゃんにおっぱいをあげているお母さんがいる横でブタ、鶏、羊、馬、牛、犬などがゆったりとマイペースな時間を過ごしている。PWJも緊急援助から段々に開発・教育援助型に活動が移っており、地道な支援が大切になっている様だ。村人がいれてくれたコーヒーで一服。
 約一時間かけてディリに帰る。聞いてみると、選挙の混乱は殆ど聞いていないとのこと。何とか無事に新しい国家の土台である憲法制定議会ができそうだ。

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