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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2001/12/21(金) NO.244号 

日本のアフガン戦略は何か?

 5時前後に、またモスクからのアザーンで目が覚める。6時半に下地代議士が、私と河野代議士が一緒に寝ている部屋に、「起きろー!」と、入ってくる。昨夜は、河野代議士に寝言を聞かれたようだ。「説明責任はどうなんだ・・・」とか何とか、難しい文章を結構長くしゃべっていたそうだ。
 9時近くなっても「一応2時過ぎに飛行機が来る予定」程度しか情報がなく、ウズベキスタン経由で帰るべきか、などいろいろ検討しているうちに昼近くになってしまう。とりあえず、明日の暫定統治機構発足式典のニュースにかき消されないように、昨日イスラマバードで会見するはずだったドスタム将軍との面談等について、衛星電話でイスラマバードの共同通信に頼んで各社に配信をお願いした。
 結局午後4時前に、やっと迎えのチャーター機が到着、国連職員に一席提供し、9席の席が全て埋まり、イスラマバードに無事戻る。機中では緊張が緩んだせいか、皆疲れ果て、泥のように寝る。
 7時からホテルで記者会見し、我々の活動を報告。その中で、政府より早く動き出したNGOが、日本から送ったランドクルーザーなどの支援活動に使う車両が、カラチなどパキスタンの港に泊められたままになっている問題を取り上げた。早いところは10月9日に車両が日本から港に着いたまま、現在21台の車両に280%の関税をかけるかどうかでパキスタン政府ともめていて、その間の倉庫料もどんどんたまっているのだ。億単位の費用がかかってしまう恐れもあるのに、日本の現地大使館は全く役立っていない。NGOから要請を受け、なおかつ外務省として核実験を行った関わらず今回のテロ対策を理由にODAを一時的に再開していながら、二ヶ月以上もこの問題を解決できないとは情けない限りだ。以上我々3人の考えを述べ、後から来た大使館の公使にも伝えた。復興活動はもう始まっているのに、車がアフガニスタンまで届いていないのだ。
 会見後、NGOの面々と「ご苦労さん会」を兼ねた食事をする。お世話になりました。
 
 それにつけてもマザリシャリフに駐留していた米軍、フランス軍などの存在や、様々な情報をあわせ考えてみると、米国などには大きな対アフガニスタン戦略がありそうだ。果たして日本にそれがあるであろうか?小泉総理は早くからアフガン復興に熱心だが、パキスタンの日本大使館や外務省の反応を見ていると、大きな国家戦略の下に行政府たる外務省などが積極的に動いているとはとても思えない。エネルギー戦略をはじめ、総合的な戦略を早く立てた上でアフガン復興に望まねばならないのではないか、ということで下地代議士と意見が一致した。帰国後、小泉総理にも会う予定だ。