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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2013/07/01(月) NO.766号 

経済、外交とも、努力あるのみ

ワシントン在住の親しい記者さんの紹介で、今日はブルッキングス研究所のリチャード・ブッシュ上級研究員との朝食会からスタート。続いてアーミテージ元国務副長官、ズムワルト国務次官補代理、ブレイナード財務次官、キャンベル前国務次官補、メイヤー元FRB理事と、立て続けに各々のオフィスと訪ね、意見交換を重ねる。夜は、佐々江駐米大使公邸にて、私が内閣官房長官時に膝詰めで協議したシーファー前駐日大使と久しぶりに再会、夕食をともにした。

 各所で、まず私からアベノミクスは参院選後も変わらず安倍内閣の最優先政策として継続し、第二弾、第三弾の成長戦略を打ち、先般の成長戦略の法制化などフォローアップを強力に推進する方針であることを明確に伝える。先方からは、一層の構造改革による需要創出、経済再生への期待が示された。

 日米同盟関係や、日中、日韓、日米韓、など東アジア外交に関しては、まずは幅広い人的信頼関係構築の重要性がいずれにおいても広く共有され、そうした努力なくしては良い関係構築は不可能であることが明らかとなった。

 それにしても、米国の人口構造は、ヒスパニック系などを中心とした移民の増加により人口自体は増え続けるが、大きな特徴は、これまでの米国社会のマジョリティーであった伝統的白人、すなわち非ヒスパニック系の白人が、2043年には米国社会においてマイノリティーに転落し、従来のマジョリティー・マイノリティーの関係が逆転する見込みだという。

そんな中で、今回会った友人などに聞けば、共和党の集会に行くと、参加者の殆どが白人男性であるのに対し、民主党の集会に行くと、人種も、性別も、年齢も、いずれも多様であり、今後の選挙結果を示唆している、という。

 日本政府や政治家による米国での人脈も、共和党や高年齢層の男性に偏り、故ダニエル・イノウエ上院議員亡きあと、新規開拓が滞ったままだ。また、米国に限らず、韓国など近隣重要国においても、一層幅広い人脈を構築しないと、国家存亡に関わりそうだ。

 改めて、経済においても、外交においても、国家の存続には他国に絶対負けないだけの努力をしないといけない、ということを改めて再認識した今回の米国出張だった。