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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2002/05/16(木) NO.281号 

松山西消防署に続き東京消防庁を視察

 11日(土)の松山西消防署に続き、東京消防庁へ、救急救命士の活動範囲に関して勉強する為、視察に行った。
 松山西消防署では、まず消防署全体を見学、全体の流れを見せて頂いた。朝の交代の様子にも立ち合わせてもらい、緊張感を持っていかなる状況にも対応できる即応体制や、署員の心掛けなどに関して説明を受ける。「危機管理」の原点のようなものを感じた。
 その後、救急車の中で、「心室細動に対する処置」と「気道の開放・確保」に関し、実際に機器などを作動、使用しながら実態と要望を聞いた。
 心室細動に関しては、航空会社のフライトアテンダントが、上空で機内に医師がいなければ「医師の指示無し」でも半自動式除細動器を作動可能なのに対し、救急救命士はあくまでも「医師の指示」がなければダメなのが現状で、医師の指示を得る過程での時間が救命率に非常に大きく影響を与える事になるので、ここを「医師の指示無しでも可能に」という意見が出ているのだ。
 確かに、米国製(200万円以上するそうだ!)の半自動式除細動器は、一つ一つの状態を音声で知らせてくれると同時に、「VF」という心臓の波形以外(通常の状態や止まってフラットになった状態など)では、機器が作動しないようになっているなど、救命士の裁量間違えの余地は排除されている。
 一方、「気道の開放・確保」では、まず「ラリンゲルマスク」と「WBチューブ」などの、現在救急救命士に使用が許されている器具を用いて、人間の模型を使いながら使用方法を見せて頂く。あくまでも食道内へのこれら器具の挿入による気道確保で、効果は限定的のように感じる。
 最後に、現在議論の焦点になっている気管内挿管を同じく模型を使って私も体験してみた。内視鏡の様に先端にライトがついた喉頭鏡を用い、舌の根っ子を押し下げると気管の入り口が見える。知らなかった!喉の奥の気管に、手探りで挿入するのかと思っていたが、気管の入り口を目で確かめながら挿入する事を初めて知った。私もうまく気管に挿入できた。極端に太った人や首の短い人もいるので、すべて模型通りにいくわけではないようだが、想像していたよりは難しくない。現状から何か改善する方法があるかもしれない、と思った。
 帰り際にはしご車に乗せてもらう。実は私は大変な「高所恐怖症」。「高い所とゴキブリと妻」が最も怖い私である。しかし折角のお誘いだったので、はしごの先端にある籠のようなところに乗せてもらい、40メートルほどの上空にまで行ってしまった。途中、西署の最上階ぐらいの高さまで来て、膝がガクガク。下も横も怖くて見られず、「後どのくらい上がるのですか?」と一緒に乗ってくれた隊員の方に聞くと「あー、まだ三分の一しか来ていません」と言われ真っ青。「止めてくれー!」と余程言おうかと思ったが、何とか踏みとどまり「いやー、いい景色ですね」などと、殆ど見てもない事を言い続ける。40メートル上空にいる自分を想像するだけで恐ろしい。
 
 そして、今日は東京消防庁へ、自民党「救急救命士のあり方に関するワーキングチーム」の国会議員9名で視察に行く。西署で見たものと同じ器具などを見せて頂いた後、3人の救急隊員が実際の出動、救護場面を目の前で実演して見せてくれ、活動内容、流れがよくわかった。
 その後、119番通報が入る災害救急情報センターの活動振りを見ると共に、東大病院から当番で詰めていた「救急隊指導医」の先生と我々国会議員が会話を交わす。 「救急救命士が気管内挿管をする事をどう思いますか?」と問うと「人命救助に燃えている救急救命士ですから、やって頂いて良いのではないですか」とのこと。「でも、間違って気管ではなく食道に入れたり、体内を傷つけてしまうのではないか、気管の入り口を見ながら挿入するから大丈夫なのですか?」と訊くと「そうです。救急救命士の方がひょっとすると我々医者よりもうまいかもしれませんよ」とおっしゃったのが印象的だった。
 ことは人命に関わる問題だから、慎重に検討しなければならない事は間違いない。しかし、今年になって私の友人のお母さんが自宅で倒れ、救急車内では蘇生できず、倒れてから約30分後にやっと病院で心肺活動が戻ったが、結局植物人間状態となり、結果として亡くなられたことなどを考えると、何らかの医学的根拠と法的配慮に基づく工夫を凝らして決断をするべきではないか。

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