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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2002/04/30(火) NO.277号 

いよいよ世界の心配の種になっている日本

 朝、ホテルの窓からハーバードスクエアを中心にケンブリッジ市街を見渡しながら、留学当時のいろいろな思い出が浮かび、ひと時の感慨に浸る。いずれも社会人になってしまった二人の息子は、留学当時4歳と2歳だった。教育学大学院に学び私と同じように大変な毎日だった妻と交代で、目の前の道を通り二人の息子達を保育園に送り迎えした事など、まるで昨日の事にようだ。時間の経つのはこんなに早いものか。
 東京で知り合い、ここ数年余り親しいボストンベースの某金融機関の幹部(と言っても私より若い!)とホテルで楽しく朝食をする。なんと彼はすぐ隣のアパートに住んでいた。奥様は日本人で、ハーバード大学でも教えているそうだ。昨日の学生さん達の事も良く知っていた。
 ワシントンに移動し、旧知の経済政策担当大統領特別補佐官と昼食。年頭のNYでのダボス会議で会って以来だ。当然のことながら日本経済について極めて心配していた。エンロン事件への対応で、結構忙しかったようだが、いろいろ聞いてみると、日本で報道されている事が事実と全く異なることがかなりあることが分かった。例えば、自社株に投資していたがために、一夜にして価値が吹き飛んでしまった従業員の401k という確定拠出年金に関し、「年金」の全てが失われてしまったが如き報道が日本ではされてきたが、実は、エリサ法で守られた他の年金は、ちゃんと無事残っているそうだ。自由に設計できる部分で失敗をしているだけで、受給者権が法的に守られている部分は全く問題ないようだ。
 午後、ジョージワシントン大学での、主に日本の現状に関するパネルディスカッションに、明日から始まる日米国会議員会議参加議員と共に出る。「なぜ日本はかくも変われないのか?」というイライラがひしひしと伝わる質問や意見が多かった。おそらく失望のあまりであろうが、途中で退席する人が多く、複雑な気持ちになってしまった。
 夕方、FRBのファーガソン副議長を訪問。98年の金融危機以来、再々会っているが、5時過ぎになったにも拘らず待っていてくれた。彼はNYでのダボス会議でも心配気に日本に関するセッションを聞いていたが、今日も日本の経済実態、政治状況を真剣に訊いて来た。
 日本がこれ以上、世界の深刻な心配の種のままで行くわけにはいかないのに、インターネットで日本のマスコミ報道を見れば、この大事な時に相変わらず「鈴木宗男代議士秘書ら7名逮捕」「井上前参議院議長議員辞職」といったスキャンダルばかり。これで引き続き先進国扱いを望むのもいかがなものか。

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