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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2003/02/24(月) NO.319号 

医療の現場感覚に触れる

 松山市医師会との勉強会に臨む。「平成14年4月診療報酬改定の不合理点・矛盾点」とのテーマで、厚生労働省からも担当官が参加。3時間半にわたり、医療現場の生の、熱い声に触れながら大いに議論。初めてのマイナス改定で、医師の皆さんからさまざまな批判があるのは良く分かっていたが、まとまって、それも現場の声を直接じっくり聞くのは初めてだった。診療報酬そのものの中身は中医協が決めており、我々政治家が具体的内容を決めてはいないが、マイナス 2.7% という下げ幅は予算を通じて国会議員が決め、内容の大まかな方向性も議論済みであるから、我々にも責任がある。ボコボコに怒られるのを覚悟して参加したが、現場の生の声を聞くことが大事だ、と改めて認識を深める良い機会だった。
 
 最も厳しく指摘されたことは、改定の方向性はともかく、どこでどのような議論の末に決まったかが議事録を見ても分からない事例があるのはおかしい、という点と、患者に説明でき、納得してもらえる変更にして欲しい、という点であった。
 
 整形外科の先生を中心に最も話題になったのは「月内逓減制」。中医協の議事録に議論の過程が載っていない、という。これは厚生労働省としても経緯をきちんと示す必要があろう。患者に納得してもらえないかも知れず、せっかく作ってもらっても、うまく使いこなせない、という典型例は「生活習慣病指導管理料」。聞けば 11,000 円から 12,000 円の医療費なので、患者負担は3割なら 3000 円以上を、場合によっては医師から言葉だけの指導でも患者に払ってもらうことになるので申し訳なくて取れない、という。
 
 また、今回の改訂で小児入院医療の評価を充実したことになっていながら、「小児入院医療管理料」などが「病院」のみに認められ、「有床診療所」には認められないのはおかしい、との指摘もあった。確かに最近テレビなどマスコミでも、小児科が手薄になり、尊い子供の命が失われることが増加していることがよく取り上げられるようになっている。その意味では地域医療において、小回りのきく小児科の有床診療所をもっと活用していくべきであり、病院と有床診療所を分ける理由があるなら、厚生労働省ももっと丁寧にその理由を説明した方が良い。今回の議論で、そもそも東京などではもはや病院と無床診療所だけになり、有床診療所はほとんど見られなくなった、という事を改めて聞いた。福祉でもグループホームなどの活用が進んでいるが、有床診療所に関しても、これまでの性格や役割をよく検証し直し、欠点は直し、良い面はもっと発展させて活用していく政策も考えるべきではないか。
 
 社会保障改革に関連して消費税の問題が議論されたが、より身近な問題として、薬価における消費税の扱いと医師の薬剤購入時の値決めにおける消費税の扱いのギャップが話題になった。つまり、薬価には消費税が含まれている建前になっているのに、薬剤購入時の値決めにおいては消費税抜きで決められ、決済時に消費税が上乗せされるため、医師側に「患者に消費税を負担してもらいたい」との不公平感が残っていることが分かった。これも薬価における消費税の扱い、という制度に関し、周知徹底がなされていない例だ。
 
 現在「医療費3割負担問題」が政治問題化している。私がいつも言っている医療改革の原点は「いつでも、どこでも、誰でも、自分の裁量で、良い医療を、廉価で入手可能な制度」を確保することだ。少子高齢化がますます進む中で、いかにしてその原点を維持しながら持続可能な助け合いの仕組みを、絶えず国民の視点に立って考えることが大切だ。冷静に考えよう。

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