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やすひさの独り言 Yasuhisa's Soliloquy 今一番伝えたい考えや想いをお伝えいたします

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2003/02/13(木) NO.318号 

生保の産業政策が必要

 午後3時半から、生保問題の「インナー会合」があった。金融庁からは、前回の案の表現振りを少し変えた程度の一枚紙が出てきただけ。おそらく明日の報道では、「自民党了承。法案化へ」と流れるだろうが、今日の会合でも私以外にも論理不十分として慎重論を唱え続けているメンバーがいるし、事はそう単純ではなく、もっと大きな判断がいる問題だろう。
 
 この生保の逆ザヤ問題は、今回の案程度の中途半端な対応だけで済む話ではないのではないか。インナー会合などで繰り返し言ってきているが、最も重要なことは、日本の生命保険業界をどうするのか、という大きな産業政策について政治決断をすることだと思う。目下のところ、そうした将来展望に基づく基本認識の一致がないままに、官僚発の案をテクニカルに議論しているだけだ。そもそも各社の経営実態と見通しはどうなっているのかを精査した情報の提供なしに我々政治家に議論させているのも、ずいぶん大雑把な話だ。これでは正しい政治決断もできない。また、世界にも例がないほど存続会社の負担の重たい「護送船団方式」が故に全体が地盤沈下していく「契約者保護機構」の仕組みも残したままだ。このままではわが国生保業界の展望は拓かれない。
 
 今日の案でも相変わらず「自治的な手続きによる一般的な制度」との位置付けだ。「将来における破綻の蓋然性」を「将来において保険業の継続が困難となる蓋然性」と単純に置き換え、前回私が指摘した「免許付与者の責任」の欠如を踏まえ、「行政が手続き開始の可否を判断」し「必要があれば業務改善命令を実施」するとともに、「行政が契約条件変更内容の適否を確認」することとしてきた。
 
 「業の継続が困難となる蓋然性」を認定しながら、業務改善命令を出さないケースがありえることを想定する免許付与者は、やはり契約者に対し無責任ではないか。「責任準備金のカットはさせません」「予定利率の引き下げには下限(3%を想定?)を設けます」というアメは変わっていない。「そのような制限をつけた、深掘りしない再建計画では二次破綻への懸念から、スポンサー(引き受け手)が現れず、このスキーム自体が機能しないおそれがあるのではないか?」との質問には「仮定の話には答えられない」との返答だった。
 
 総代会の特別決議があり、契約条件変更に該当する保険契約者の一定割合(10%?)が反対しなければOK、というが、破綻もしていないうちに契約者の条件を強制的に不利益変更することに変わりはない。「契約」というものの本質に関わる問題だ。余程の説明努力と工夫をしなければ国民の理解は得られまい。
 
 銀行にしても、この生保問題にしても、戦略的発想に基づく力強い産業政策が必要だ。

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